1.作品の背景には、「現状を放置するのではなく、良き未来に向けて各人がまず第一歩を踏み出しましょう」ってな感じの説教臭いテーマがあるのですが、それを決して「説明」しちゃったりはしない。「説明」によって観客を「わからせよう」という誘惑に流されず、作品はひたすら映画のアクションの力を信じ、これでもかというアクションの連鎖によって、我々を引っ張って行ってくれます。「説明」が無いから、映画はある程度ワケがワカラナイまま進行し、ジョージ・クルーニー演じるフランクも、謎の少女アテナも、我々をじらせるように敢えて「説明」をしようとしない、逆にだからこそ我々はこのアクションにただただ身をまかせ、その快感たるや。これほど「気持ちいい」と感じさせる映画も久しぶりに観たなあ、と感動してしまったのでした。