2.横溝正史の発表した長編小説では、ラスト作となった作品。
主題歌にビートルズの「レット・イット・ビー」を使用、
「鵺の鳴く夜は恐ろしい」というキャッチコピーが連日CMで流れ、強烈な印象を残した。
相変わらず商売上手だななどと思ったのだが、映画は大ヒットまでこぎつけなかったようだ。
横溝ブームが終焉を迎えていたということもあるのだろうが、原作自体の出来も原因。
古い因習の残る島、おどろおどろしい人間関係など、一応ポイントは押さえているのだが、
時代設定が高度成長期にあたる昭和40年代なので、ちょっとピンとこない。
初期のビッグタイトルと比較すると、やはりスケールが小さくなった感は否めなかった。
金田一役の鹿賀丈史も今イチ。横溝ファンなら、まあ何とか楽しめかるなといった微妙な作品。