1.まずこれは映画なのかという点。ナレーション、台詞、BGMの類は一切なく、鶏、牛、豚、リンゴ、キャベツ、トマト等の食材が機械的に加工される様子を幾何学的なショットを意識して録りまとめた一連の映像は、映画といえるのか。普段では目にできない食品加工業者の裏側を効率よく見られるようになっていて、ベルトコンベアーで箱に振り分けられられるヒヨコや一瞬で屠られる牛の姿に、日々食卓に並ぶ他の生物のかけらへの想像力の欠如を補ってくれるのですが、それだけ。映画的演出といえば従業員の食事シーンがお飾り程度に挿入されているくらいで、映画として面白いものではありませんでした。