13.日本ではガンダムの元ネタの一つとして有名なハインラインの「宇宙の戦士」の映画作品なわけですが、日本のSFフアンにとってはこの原作、加藤直之デザインのパワードスーツの印象がとにかく強すぎます。つか原作は「宇宙の戦士=パワードスーツで戦う右翼小説」なわけですが、この実写版は、看板であるパワードスーツを捨て、さらに反戦パロディ映画として撮られていて右翼小説である原作とは180度真逆のスタンスで描かれていてます。
これ、そもそも監督が自分のやりたいネタ(ナチのプロパガンダ映画のパロディ)を撮ろうとしたら、ちょうど似たシチュエーションの元小説があったのでその名前で映画を撮ったという事らしいのですが、それってオリジナルの小説に対してかなり失礼な事なんじゃないでしょうか?つか失礼です。
まぁ最初と最後のプロパガンダパロディ部分は個人的に面白かったので、そこまでひどい評価にはなりませんが、面白いのはそこだけ。
本編はどうでもいいごく普通のB級娯楽映画にすぎず、「小説の映画化」としては、原作の基本要素をほとんど破棄して勝手に都合のいい反戦映画として撮っている時点で駄作というのもおこがましい(基本的な在り方として許せない)映画になっています。
とはいえこの映画、公開時にワシントンポストでナチ万歳のひどい映画だとレビューを書かれたそうで、それはちょっとワシントンポストの映画レビュー書いてる人がやばいんじゃないかと…どう見たって(安っぽい)反戦反ナチ映画だよ!さすがにそれくらいはわかろうよ>ワシントンポスト