1.ジャズはもちろん、バードもイーストウッドも好きなんだが、この映画はどうも……。イーストウッドのジャズ好きと、バードに対する熱い思い入れは伝わってくるけれど、逆にパーカー好きが災いしてると言うか、空回りしてると言うか。もっと時代を俯瞰して捉える目が無いと、こういった映画は雰囲気が伝わりにくい。当時は、パーカーだけでなく、ジャズのスター達が綺羅星のごとく活躍してミュージックシーンを盛り上げていたはずなんだけれど、そんなことは知ったこっちゃ無い、とばかりにバードの周りだけを描いている。でもその割にはなんなんだろう? どのエピソードを取っても消化不良気味というか……。そこに持ってきて話が暗いからノリ切れないし、話の時系列が判り難いのもマイナス要素。音楽は最高! ウィテカーの熱演も素晴らしい。だからこそ、このちんまりし過ぎた仕上がりに不満が残る。