1.この映画を見ているうちに昔の日本人の嫌な面を思い出した。
内向的ですぐ感傷に浸ろうとし、真面目な顔をして後ろ向きに物事を考える人たち。
始終オーバーなニヤニヤ顔の原節子、威圧的で話を聞こうとしない笠智衆、
躾のなっていないわがままな子供たち、「幸せだ」といいながらちっとも幸せそうに見えない両親。
こんな時代のこんな人にうんざりして、何とか抜け出せないものかと思っていたころを思い出した。
たくましさを感じさせる淡島千景とのやりとりさえもユーモラスに思えず、流れる音楽も過剰に感じ、
今の時代との違和感ばかりが頭によぎった作品だった。