10. あの青いコスチューム。完全に耐用年数を過ぎている。バットマンがあのコスチュームを着るのは、奇跡的に理由が現実に合致したからだ。
コスプレをした半分頭のおかしい金持ちが、夜中に悪人を痛めつける快感を隠すためにはあのような姿しかないからという、ありそうな感じがする。
スーパーマンはどうか。かっこよさの象徴として作られたのであろうあの記号性は、現代では受け容れがたいかっこうわるさとなってしまった。いったいどうブラッシュアップしたらかっこよくなるのか皆目見当が付かないが、現実のガジェットや最新の銃器を華麗に操る捜査官や、スタイリッシュな音楽と編集にあわせて遠心分離器に血液を入れる科学者が格好良いとされるブラウン管やスクリーン上で、スーパーマンが写ってももう人目を惹くことは出来ないのではないだろうか。
残念だが、映像がスーパーマンであろうとすればするだけ、そこにあるのが観たい映像ではなくなってしまうと言うのが殆どの人の感じたところではないだろうか。