2.松本さんはキューブリック監督のような監督さんなんだな、と思った。大衆ウケするでもなく、その世界観を受け入れられる人は好きだし、そうでない人にとっては最初から最後まで何が何なんだか全く意味が分からないと思う。
お笑いにおいても松本さんはそういうところがある。お笑い界において彼の面白さは、浜田雅功さんや今田耕治さんなどの「分かりにくいボケを突っ込みで大衆に伝わりやすくする」翻訳者がいることによって活かされる。映画界においてはまだ、松本さんは「ボケたまま」で、それを突っ込んで大衆向けに変換してくれる右腕がいないのである。だからこんなにも見る人を選んでしまうのだ。 私は松本さんが好きだから興味を持って鑑賞出来るが、そうでない人からすれば確かにこれはちょっと素直に受け入れがたい映画だと思う。