4.夜間学校という特殊な環境ながら、学校という存在の本来あるべき姿が描かれている。それは教師と生徒がともに作り上げていく、規範の枠にとどまらない授業。西田敏行の冴えないが人間的な温かみのある教師像がピッタリはまっている。
とはいえ、今の日本ではもうほとんど見られなくなってしまったこの風景はあまりに理想的。現実の夜間学校は、惰性と管理が支配する閉鎖的な場のはず。そもそも反発はするが根は良く、これだけうまくコミュニケーションが取れる生徒が同じ学校に集まるはずはない。あくまで都合良くリアリティがなく、現在の学校問題に対しようという教師にはほとんど参考にはならないだろう。
エピソードを盛り込むのは良いが、2時間強という上映時間もやや冗長。