1.世界中で絶賛されているメキシコ映画。一つの交通事故に交錯する三つの「愛」を描いているらしいのですが、私にはとても愛を描いているようには見えません。一つは同情から派生した横恋慕、一つは思いやりを欠いたナルシシズム、そして一つは死ぬまで引きずる悔恨の念。どれもこれも愛という相対的な感情ではなく自己完結型の我、これを「犬のような愛」と呼んではお犬様に失礼。ところで、この映画の冒頭に「動物虐待は行われていません」というテロップが出ますが、あるインタビューで監督が「闘犬シーンを見て犬の心配をする人はいるが、交通事故シーンを見て人の心配をした人はいない」と、この過剰な動物愛護風潮を嘆いておりました。ということで、私的には惜しくも5点献上。