1.誤って姉を殺してしまい17年の求刑を与えられたラン。仮出所で久しぶりに帰宅する彼女とそれに困惑する両親の真意。バスに乗れない、実家が無い、道路を渡れないといった17年というあまりに長い刑期が彼女を不安にさせ、そのあたりの心理描写はよく表現されていました。あれ程不仲でケンカの耐えなかった両親が今では年老いて気力が無くなっているのを見ると居たたまれない気持ちになります。久々の娘の帰還にもどう接していいのか分からず、シャワーの使い方とか事務的なことしか話せない。この作品の中でどうも一人だけ間が悪い人がいるんです。それは刑務所の主任役の女優。可愛いのですが、制服は似合ってないし貫禄も無く幼い。しかも主任としては致命的と言える程口が軽くて、道を尋ねた駐在にランの事を聞かれると「殺人罪よ」とあっさりと彼女の前で答えてしまう。又家族と再会して気まずい中、死んだ姉の話題をヘーキで持ち出す。なんで??!!彼女のあまりに不自然な演技とキャラクタ設定の甘さに疑問。疑問と言えばラスト、家族との和解のシーンで殺人の動機である5元を盗んだ理由が死んだ姉にあるのにわざわざそれをかばって「私が盗んだんですぅ!!」とすすり泣く。そうじゃないんですよ!かばうことは悪くは無いんですが、このシーンでは何の効果もないのに何故このセリフを言わせるのか?そのせいで「たった5元のためにぃぃぃ~」というセリフも空しい不発に終わり、ラストで「この作品ちょっとズレてる?」と思わせてくれたので興醒めで、気持ちの悪いまま終わってしまいました。