1.原色の国おフランスでなければ企画されないであろうトンデモ系×ペーソス×刑事ドラマ。。50年代SF映画風の巨大光線銃でテレビを撃つと、スタジオのニュースキャスターが吹っ飛んでいくという、恐ろしい《マスコミ破壊銃》が、あくまで話の主軸だ。なんだが、この奇怪な調和ぶりはどうだろう。日本なら確実に『怪奇大作戦』路線なのだが、そこはおフランス&リュック・ベッソン製作。主役の二人であるマッドサイエンティストと刑事の人間性や家族愛などを強引に織り込みながら、違いを際立たせ、人間ドラマのある西部劇みたいな展開に持っていく。無名の超人VS官僚という構図でもあるから、『ジャッカルの日』に近いとも言えるだろう。決してステレオなSFじゃない。この、ジャンル映画のお約束に対する無神経ぶりがかなり心地よくて、B級A級というランク分けを超えた不思議な存在感を湛えているのが本作のイイトコロ。…とまあくだくだ書いたけど、『サブウェイ』のノリがわかる人には言葉はいらないだろうな。『トンデモ版サブウェイ』と思えば、かなり近い。