1.ブロードウェイのヒットメーカー、ジョージ・M・コーハンを、J・ギャグニーが演じきります。ちょうど太平洋戦争中ということもあって、星条旗のもと人心を集結させるのに、かなり役だったのではないでしょうか。だって、アメリカ人ではない私が見ても、アメリカって素晴らしい、自由な言論(大統領を槍玉にあげても大丈夫)が認められる本当に素晴らしい国だ!!と、一瞬思えてくるような仕上がり。体全体に星条旗をまとったようなJ・ギャグニーのパワーあふれる直線的な踊りに圧倒されます。が、挿入されている曲の出来にムラがあるのが難。軍人たちに向けて歌う音楽はとても素晴らしいのですが、なんとか使ってもらおうとプロデューサーのオーディションを受けるときに歌う曲は、ちょっと……あのプロデューサーじゃなくても、使いたくないよなぁって思うような仕上がりなんです。ジョージ・M・コーハンが生まれた7月4日。独立記念日に誕生したからジョージと名付けられた彼は、名前について人一倍敏感に反応していたようで、名前をあしらった歌がけっこう多かったように感じます。(そう、恋人には♪メアリー♪という歌を贈っている、この歌がけっこう頭の中でぐるんぐるんとリピートされる危険度の高いもの)。J・ギャグニーの踊りはなかなかのものですが、彼がもつ雰囲気っていうんでしょうか、これがこけたら後がない(実際にはある)ような、思い詰めたような容貌がショービジネスにあっていなかったような気がします。言いがかりでゴメン。