1.コメディとリアルヒューマンドラマの融合具合が絶妙で、個人的にはもうちょっとコメディよりにしてもいいのにと思うところもあるんだけどおそらくはこれがちょうどいい塩梅なんだ。やり過ぎると面白くなくなる。三人兄妹のキャラクターがハッキリしすぎの面もあるけどここもあまりリアルにしすぎると退屈になっちゃうからこれでいいのだろう。体力的に過酷な長旅を共にする面々が徐々に打ち解けてゆく展開はベタベタなんだけど、こういう旅って絶対そうなるんだろうなあという説得力があるから気にはならない。女教師が「教える」という本業に目覚めるクダリは感動的ですらあった。キリスト教の聖地巡礼の旅を描いているのに、願い事を大幅に改ざんするシスターや露骨な人種差別、宗教差別をする神父とか出てくるあたりを見ると、「1500キロ(ほとんど本州縦断!)を歩く旅」がいいのであってキリスト教自体はむしろ否定的にとらえられているようだが、その描き方も深刻ぶっていないのが好感が持てる。物足りなさもあるんだけど気持ちのいい映画です。