1.ジュリアナ・マルグリースは、やはり弁護士役等より看護士役がよく似合います。かつて「ER」の迫真の演技で、何度泣かされたり圧倒されたりしたことか。
それはともかく、21世紀のアル・パチーノはひたすらB級映画に出まくっている印象があります。本作もその1つでしょう。本人が「大御所」呼ばわりされることを嫌い、もしくは後進の育成のために、あえてB級の広告塔を買って出ている感じすらします。
とはいえ、しがない映画のうらぶれたチンピラ役でも、アル・パチーノが演じればピタリとハマるところがすごい。かの国には、高齢になってなお主役を張れる役者がゴロゴロいます。しかし仮に、本作の主役をイードトウッドが演じたら「どうせ最後は最大の勝利者になるんだろう」という気がするし、スタローンが演じたら「いつの間にか仲間が結集していそう」と予想が立ちます。あるいはレッドフォードなら「年寄りの冷や水」「無理するなよ」感が止まらないでしょう。孤高のチンピラを違和感なく演じられるアル・パチーノは、やはり稀代の大俳優だと思います。
では作品として面白かというと、ちょっと微妙ですが。