1.職業はセールスです。趣味は旅行です。まあ確かにそうだよなあ。
さて今回寅さんはマドンナに惚れていたのか?という疑問が残る点で結構異色の作品に思える。惚れてもいないし、逆に振ってしまうという展開は予定調和を期待する多くの客には肩透かしになるのでは?また、恋愛至上主義の寅さんが東大助教授の恋沙汰をからかうのもなんか違うなあという印象。まあ、最終的には自分の姿を見ているようで応援に回るので寅さんらしくてよかったのだが。
ホリエモンですっかりお馴染みになった「人の心は金で云々」ですが、映画の台詞として出てくると妙に新鮮。私は額と内容によって買える心と買えない心があると思うので、どちらの考えも肯定も否定もしませんが。
<追記>14年ぶりに再見。寅さんのマドンナへの想いは恋なのか?それとも幼馴染としての友情?なのかがやはりイマイチわからない。恋なら仲立ちするのにもうちょっと戸惑いや苦悩があってもよい気がするが、結構平然としている印象がある。逆プロポーズも青天の霹靂という感じなのでマドンナとの結婚を考えていたとは思えない。本作は「寅さんが結婚から逃げた」という批判が多いようだが、逃げたというより始めから相手として想定していなかったと考えるのが妥当な気がするが。亀戸天神での2人は色々と議論を呼ぶ名シーンであり、「すれ違い」というものを考えさせられる。それにしても昭和40年代後半の甲州・信州はまだまだ未舗装の道が多くて、50年前はまだこんなだったのか?という驚も感じさせる作品でもある。