1.主演のオネエチャンは、バスター・キートンの孫でしたっけか。映画のために体を張る、というDNAは健在。「健全」ではありませんけどね。レイプされた女性の復讐譚、という以下のものではあっても決して以上のものではない作品です。4人の男たちに順番に襲われる場面と、順番に復讐する場面が、段階を追って順序良く続くので、正直100分ほどの映画でも少々長いなあ、と感じてしまう部分はあります。チ○コ切られても気付かないなんてユルミ過ぎやろ、と思っちゃうのですが、映画そのものがユルんでますから。でもそこが魅力だったりもします。題材の凄惨さとはうらはらに、静かな川面の光景、虫の声、鳥の声、ノンビリした雰囲気。この気の抜けた弛緩ぶりは、絶妙です。珍味です。そして野獣と化した男たちの、四人四様の襲い方も、ユーモラスというかマヌケというか(特に2人目のヤツが…あはは…スゴかった)。主演のオネーチャン、前半は汚れ役に徹しているものの、後半の復讐の段になると、悟ったような無表情になるのが、ドロドロし過ぎず良。作品にアクセントをつけており良。感情と感傷だけで突っ走るのが映画ではないのだ、と非常に勉強になりますね、ハイ。映画に全編を通じてしつこく登場する、オトコの裸、オンナの裸。その数々のハダカのシーンが、映画前半から後半への大きな転調によって、全く違う印象となるのが、こういうヘンテコ作品ならではの面白いところ。これも勉強になります、ハイ。そしてクライマックスの、「斧ふりかざしてモーターボート」のこれまた何とカッチョよいこと。あれ、しまった、なぜ自分はこの作品をホメているのだろうか。