3.写真をパラパラと見せていくだけで一人の男の半生を語らしめてしまう。もちろんナレーションがあってのことだけど、なかなかうまくこなしてるんじゃないかと。ハリウッドの大物は社交界の花形でもあるわけだから華やかな写真も多々あるわけで、それゆえに可能となった人物史。中身は今さら驚くようなものでもないが、それなりに興味深く見ることができると思う。メジャーのプロデューサーといえば映画の敵のような印象があるが、この仕事もけっこう大変なんだなと。『ローズマリーの赤ちゃん』の周囲の反対を押し切ってロマン・ポランスキーを監督に抜擢したというエピソード、女優心をくすぐってミア・ファロー降板を阻止したというエピソードを聞くかぎりでは、金儲けが大前提だとしてもプロデューサーの映画に対するセンスと手腕ってのは映画に不可欠なのだと思い知らされたような気がしました。ま、この人は「特別」なのかもしれませんが。