2.パゾリーニ作品で視聴可能なものは全て鑑賞してきた。
本作はそれらパゾリーニ作品群の中でも面白い部類に入る。
インタビュアーのパゾリーニ自身が、異常性愛者(ホモセクシャル)であるところに、この作品の面白さがあるのだ。
つまり、異常性愛者であるパゾリーニ自身が“異常性愛”について、一般人に質問しているという構図が面白いのである。
批判的な意見に対しても冷静と敢然に立ち向かうパゾリーニ。
パゾリーニは冷静且つ頭のいい人だったんだなぁ、と感心してしまった。
本作を観た後に、例の問題作『ソドムの市』を再見すれば、違った見方ができるであろう。
やはりパゾリーニは、『ソドムの市』という問題作を通して、“性とは何か”を真摯に訴えたかったんだと思う。
賛否両論の激しい『ソドムの市』ではあるが、本ドキュメンタリーを観た後ならば、違った見方をできるに違いない。
このパゾリーニの傑作ドキュンメンタリーを観て、そう感じた次第である。