1.ヤクの売人である冴えないチンピラのグダグダな一週間が描かれて、およそ好感の持てる人物はまるで登場しないし、ストーリーだけを見れば何一つ納得するものなどありゃしないんですけど、それでも何となく引き込まれてしまう不思議。
二人の男が世にもオゲレツな会話を繰り広げ(と言ってもタランティーノほどエンドレスには続かないけど)、ここまでオゲレツだと一種のファンタジー。
銃で顔が吹き飛び壁中が血塗れになる、といったシーンもあり暴力的ながらもスタイリッシュ。色彩もときに鮮烈。とは言え、『ドライヴ』ほど画面をキメまくるのではなく、手持ちカメラの不安定さで、はぐらかしてしまう。それがいかにも、グダグダなオハナシの雰囲気にマッチしてます。