1.ギラーミン版「キングコング」に、当時小学生だったわたしが、何を求めてじいちゃんに劇場まで連れて行ってもらったかと言えば、それはきっと怪獣映画のノリだった思う。
いや~ギラーミン版「キングコング」よりこっちの方が遥かに面白く感じるんだから、あれから30年近くたつっていうのに、わたしの求めているものはあまり変わっていないようだ。象の大群や人食いトラの襲撃、底なし沼に断崖絶壁とお約束の展開はもちろんだが、それ以上に素晴らしいのは、やはり”金髪の女ターザン”の存在だろう。幼い頃からジャングルで北京原人に育てられた割には身なりがきれい過ぎるなんてどうでもいいことだ。きわどい格好で豹やトラと少女のように戯れるパツキンの女ターザン。見えそうで見えないオッパイのナニを気にしているだけでもどんどん時間は過ぎていくのではないだろうか。
おっと、そして一番肝心なコング、じゃなくて北京原人のシーン。こちらはまさに子供の頃のわたしが求めていた怪獣映画のノリで満足するものだった。ミニチュアなんか、今見てもかなり精巧な出来ではないだろうか。さすが日本から特撮のスタッフを招いて撮っただけのことはある。気になるところと言えば、あの香港特有のいきなりな終わり方だ。数ある香港映画の中でも1,2を争えるほどのいきなりの「終劇」ではないだろうか。