3.鑑賞して、再認識したこと。
「残された家族が可哀そうだ、という発想で子供を巻き込むな!!」
日本人は家族を事件に巻き込むことに対して、最も罪悪感を感じない民族なのでは?
ここのところ、親殺し、子殺し、無理心中と慙愧に絶えない事件が、以前よりも多くなっている気がする。
残される苦労よりも、近しい人間に殺されるほうがどんなに不幸なことか。
この作品は、殺していないが「可哀そうだから」という発想で、子供が自由に生きる可能性を奪った点では同罪。
さて、いろいろ書いてしまったが、肝心の作品の出来は、塩田監督の中では一番だと思う。
オウム事件からインスピを得たのだと思うが、あの事件を風化させないためにも見ておきたい作品でもある。