5.アクションやヒッチコックお得意のユーモアはほとんど無いスパイサスペンスではありますが
アメリカの諜報機関と南米に逃亡しているナチスの残党というサスペンスの構図は
第2次世界大戦終結間もない頃という本作が制作された時代背景を色濃く感じさせます。
サスペンスよりもケイリー・グラントとイングリッド・バーグマンのメロドラマに軸足が置かれていますが
グラントのらしさがあまり感じられず、むしろラストシーンの後に厳しい運命が待ち受けているであろう敵役のクロード・レインズが印象的。
コーヒーカップ、鍵。本作でもやはり、サスペンスを盛り上げるヒッチコックのちょっとした小道具の使い方には唸らされます。