1.実は、わたしは駅伝をやっている。
同い年のランナーが集まってチームを作って大会に出る。
もちろん、血を吐くような特訓があるわけではないが、レベルがどうであれ、それぞれのランナーにとって走るということはきっと「単なる趣味」の域を超えた何かをもたらしてくれているのではないかと思う。
「人は何故走るか」
原作は、単なるスポコンものに留まらず、その深淵なテーマに向き合いながら、成長を遂げていく10人の姿を爽やかに描いている。
原作に沿って丁寧に物語をなぞる作りには好感が持てたものの、安易に感動を誘う演出が鼻につく。
もっと、エピソードを取捨選択したうえで、それぞれの人物の背景がキチンと描けていたらなぁ、と少し残念だが、走ることの楽しさ、苦しさや、駅伝の熱さは充分伝わってきた。
それにしても、走役の林遣都クンは、見事なランナー体型でフォームもキレイだったなぁ。
(11月29日・新宿ピカデリー)