1.舞台となる長島町とは福島に置き換えていたものだと思って見ていましたが、実はそうではなかったですね 福島県の原発被害は過去形という事になっていまして次の被災地という設定になっています。しかしどうでしょう‥ 現に福島の県名はバンバン出て来ますし、一部、風評被害を蒸し返してしまうような行動だって2、3撮られています。はたして福島県の皆さまはどう思われるのでしょう その事ばっかりが気になってしまう そうなってくると、やはり、まだ時期尚早 まだしばらくはそっとしておいてあげるのがよかったのじゃないかとさえ思える。言ってしまえば、望まれない映画となって生まれてきた気がする。福島県及び東北地方の方々の怒りや悲しみ、そして心の叫びや苦心の打ち明けを知る手段としては今のところまだNHKや各民放局のドキュメンタリー番組で情報を得れる程度のものでよいのではないかとさえ思えてきてしまいました。架空のドラマ性を求めることなく事実関係に重点をおいておきたいという意味で。
しかし、これ、先日、公開前のタイミングに合わせてNHKの教育チャンネルで園監督を追い、その撮影に至った経緯と伝えたいメッセージという事を主題にして その撮影風景を追ったドキュメンタリー番組として30分~60分位の時間枠で放映されていました。ということは、このことから察するに、NHKとしてはこの作品の発表を認めているんだな‥ と。 だからなにという話にはなりますが、自分としては、まだ 時期尚早な作品であったと思えたという事を述べておきたい。そしてケチをつけるわけではないですが、ラストの落胆と不安を撒き散らして終わるまとめからして〝希望の国〟という この題名、その内容とは全く合っていないものになっていたとさえ思えた。正直、お後はあまりよろしくない。現地被災者の方々はこの作品の存在意義をどう捉えるのでしょう その事が今すごく気になってやまない次第です。
ただ、最後に泰彦と智恵子が花壇で交わしたキスシーン
悲しくも素敵でしたね
ホント切なく素敵なキスシーンでした。
あの場所で あのタイミングで あの老夫婦によるキスシーン 園子温にしか撮れない芸術的なものであったと思います。