1.インターネットを発端にした巻き込まれ型サスペンスってのは、難しい。そもそもネットってのが基本的にウサン臭い訳で、“巻き込まれ型”というよりも、“不注意な私を巻き込んでください型”。オレオレ詐欺をサスペンス映画でとりあげるようなもんです。勿論、作り手もわかってるんでしょう、巻き込まれ型の不条理モノと思わせておきながら、「実は」とばかりに、因縁話っぽい路線を絡めて意表を突こうとしてくる。そこがそれなりに面白くもあるけれど、変にまとめ過ぎようとしてる印象が先行して、さほど意表を突けていない気も。で、そこもきっと作り手はわかってるんでしょう、中盤では、これでもかとかなりしつこい追跡シーンを展開してみせて、アクション路線も準備。ここはさすがに盛り上がるでしょ、と。そんな訳で、はい、サービス満点な映画でした。元サッカー選手が演じる刑事さんが、もうひとつ存在感を示せず、まあその曖昧さがイイといえばイイんですけれども、とにもかくにも、主人公の肝っ玉母さん、このヒトの存在が、本作一番のサービスでした。