1.ムキムキ男たちが身代金目当ての誘拐を企む。と言われても、ムキムキと誘拐という2つのキーワードが、普通の人のアタマの中ではなかなか結びつかずピンと来ないのですが、何せ実話だってんだから、仕方ありません。
最初は、大男たちが集まって一体何をしょうもないことやってるんだ、と思ってたら、だんだんやることがエゲツなくなってきて、ブラックユーモアがドス黒くなってきます。
死体解体の為に買ってきた電動ノコギリが思うように使えずに怒る場面、字幕では「国産じゃない!」となってるけど、セリフは明らかに「made in china」と言っていて。じゃあメイドインUSAがそんなにご立派なのかと言うと、そもそもこのどうしようも無いムキムキ男こそが、まさにメイドインUSAそのもの。ムキムキ以外にも何かとデブを登場させるのがまた皮肉ですが、さらに念を押すがごとく、裁判所とかジムとか警察署の壁には、デカデカと星条旗が掲げられている。
そもそも、セミナーに参加した主人公にアメリカンドリームを説いて、ある意味キッカケを作ったのが誰かと言えば、これが中国人だったりするんだから、もう、何が何だか。
という、メチャクチャな現代アメリカをメチャクチャに描いて見せた、でも実話なんだから恨まないでよね、ってな作品でした。