1.ミュージカルとしてはもちろん歌の合間の台詞や仕草に滑稽さがみなぎる大変おもしろい舞台劇である。童話の世界の主人公たちを絡ませ、おとぎ話以降の物語を描き出すという試みは大人向きの新しい趣向だ。舞台では表現できなかった神秘の森の世界を作り出し、巨人や魔法目に見えるものとして表現できるのはまさに映画という映像の賜と言ってよい。白い牝牛、赤い頭巾、黄色い髪、黄金の靴の4つのアイテムを探し出す第1幕はミュージカルになじみがなくても大変魅力的なのだが、ハッピーエンドで終わったその後の第2幕がこの映画の真価。ところが前半の馴染み深い物語について行けても、ファンタジー映画にしたため後半はどうもとっつきにくいので、"No One is Alone"などの楽曲に親しみがないと十分楽しめないかもしれない。