3. ええー?許せるかなー?どーかなー?いや、許せないでしょ、やっぱり。
ただジムも純粋に被害者なんですよね。もちろんだからといって他の人を道連れにしていいわけはありません。ですが、最初目覚めたのが自分一人だと気づいていなくて、鏡の前でウキウキしているところから、その後あまりに残酷な現実をたたきつけられたジムに同乗の余地はあるかと思います。
オーロラに真実がばれたとき、正直に認めたのは潔し。その後のオーロラのキレっぷりも良い。寝ているジムを殺しそうな勢いで殴る蹴る、いや、鈍器で本当に撲殺寸前までいっています。そーです。そんぐらいキレてもらわないと。
自分がジムと同じ状況になったら、気がふれてしまうかもしれません。無人島であれば、まだ誰か助けに来てくれるかもしれないという希望がもてます。ですがジムの状況ではそれすらもかなわない。ひとカケラの希望もない。それが最も辛い。
オーロラを目覚めさせたこと。そしてそのことを隠そうとしたこと。この2つは絶対に許されません。ですがその2点を除けばジムはいたって常識人。善良と言っても良いでしょう。
終盤ではジムの本来の善良さが炸裂します。贖罪の意味もあったのでしょう。オーロラと宇宙船を救うために自らの命を犠牲にしようとします。そして奇跡的に一名をとりとめた直後、今度はオーロラをもう一度コールドスリープに入れようとする。もう自分の事は二の次。オーロラの事だけを考えて行動しています。私は、ジムが自分がやってしまったことを心から後悔しているのだと感じました。
私はジムがしでかしたことは許せませんが、ジムという人間は許せそうです。
そして映像は美しく、映画は面白かった。