2.パリ郊外に住むユダヤ系、アラブ系、アフリカ系という3人の若者の、出口のない鬱屈した日常生活を淡々と、しかし緊張感たっぷりに描き出す。一般的にイメージされる文化の香り高い「フランス映画」には余り出てこない、「移民国家」としてのフランスの姿。いつ引き金が引かれてもおかしくない状況の中で、一丁の銃が街を彷徨い、そして悲劇を生む。ラスト・シーンは結構衝撃的でした。そして私も、フランスでの暴動のニュースを見て真っ先に連想したのが1995年の本作です。つまり最低でもこの10年の間、フランスではいつ今回の様な暴動が発生してもおかしくない状況がずっと続いてたってことですよね。暮らしへの不満は、いつしか他者への憎しみになる。マチュー・カソヴィッツの先見性と問題提起に+1点、7点献上。