6.骨太!二重構造になっている話と、役者の演技力により、緊張感が途切れない。事件背景の詳細を年代的に知らないが、映画としては成功していると思う。ラストで二人が語った問いかけを自分も思ったので。 【カーヴ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-03-23 20:18:32) |
5.あさま山荘事件はよく取り上げられるが、なぜか取り上げられない連合赤軍による同志連続虐殺事件の映画化。若者にありがちな歪んだ正義感、「子供」を離脱したいという思いが起こした子供の戦争ごっこを、今更彼らが何か崇高な目的を持って行動していたかのように印象付けしなおそうという誘導映画。しかも監督が悩みの末失踪してしまうという裏ストーリーまで作ってあえて客に考えさせようと誘導、あわよくば客観化までしようとしている。ただし思想操作は随所に見られるが事件を追っている部分は史実であり、興味があった事件をよくぞ映像化してくれたということで評価は高くつけておく。実名役ではないが、本人達の写真などを見たことのある人にはすぐどれが誰なのかわかるほどイメージ通りだった。 【Arufu】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2005-08-14 06:16:26) |
4.実は赤軍の頃の話って意外と好きなんです。いや別に政治とか考え方とかそんなんはどーでもいーんです。人間の醜い部分ってゆーか、えぐい部分を観るのが好きで。なんてゆーか一種のホラー感覚です。実際にあったからよけ怖く感じてまうってゆうアレです。例の映画「エス」とかと同じような。それとなんで、人間が異常になってまうのか?そん時の人の心理状態ってどんなんやねやろ?ってゆうのにも興味がひかれたりしてまうのです。で、そんなお子様なスリル感覚まるだしでこれを観たので、考え方みたいなものはまったくわかんないんですが、なかなか迫力あってのめりこみました。現代の時代、映画を作るとゆうドキュメンタリーなタッチで見せるとゆう変わった構成もなかなかよかったです。ちなみに同時期の同じ事件を扱った映画「突入せよ!「あさま山荘」事件」は能天気すぎてまったく退屈でした。ところで総括って怖いですね。ポアみたいなもんでしょうか?なんか意味とかどーでもよくて、ただ人を支配したりしばきたいがために使われる言葉「総括」。結局考え方とか関係なしに、人が追い詰められ暴走すると醜くなって怖くなるんでしょーか。ちなみにこれのもっと怖くてエグいバージョンが「鬼畜大宴会」かな。 【なにわ君】さん 7点(2004-12-22 15:27:26) |
3.面白かったです。でも、なーんかもやもや。こういう映画って少ないから、一つの作品に色々求めてしまうのかなあ。最初、「『光の雨』という映画を撮っている所を撮っている『光の雨』という映画」という設定にドキドキしたんですけど、それがあんまり生かされていないような気がしました。革命戦士を演じる俳優のキャラがいまいち立っていないように思えます。「元アイドル」とか「死体役ばっかりだった人」とか、オイシイ人はいるんですけどね。それと革命戦士たちが過酷な状況の中で次第に狂気に侵されていく様が「es」みたいにスリリングに描かれるのかなーとワクワクしてたんですけど、これもあんまり怖くなくてちょっと不満。・・・えーと、この映画で描かれた「あの時代」はあそこで「終わっちゃった」みたいになっているけど、実は70年代、80年代、90年代、そして現在に至るまでずっと繋がっている(或いは「引きずってる」)はずなんですよね。今でも幾つかの大学の自治体(有名私立が多い)にはあの頃の残滓(←こんなこと書くと「総括」されちゃうかも・・・)も残っているわけだし、いわゆる「左翼系」の人は絶対あの頃の影響を受けているはずだし、そんな中、大杉漣演じる元全共闘の樽見は一体どういう思いで三十年間生きてきたんだろう・・・などと考えていると、どんどんもやもやしてしまう。でもいやな「もやもや」ではなく、ある意味刺激的な「もやもや」でした(だからこそこんなに長々とレヴューを書いてるんですけど)。こういう「あの頃」を描いた映画はもっと沢山作ってほしいなあ。時代的にはアメリカのベトナム戦争やロック黄金期と同じくらいでしょ?「あの頃」は、例えば明治維新とか戦時中とかと同じように、この国の重要なトピックであることは間違いないんだし。あと、そうだ、僕はこの作品をDVDで観たんですが是非メイキングもつけて欲しかった。そしたら二重構造が三重構造になって面白かったんですがねえ。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-04-11 16:22:03) |
2.裕木奈江、山本太郎、高橋かおり、大杉連等キャストはすごい魅力的です。「光の雨」という劇中劇(映画中映画?)にすることで若者達がどう考えどう行動するのか?実在の人物達と脚本の中で対話をさせる事でこの作品を観る観客にも考えさせる作品にしているところが良くできていると思います。ただ純粋に世の中を変えたいと思っていた当時の若者達。しかし自分自身を、同志を「総括」することで外部に向けるはずの闘志を内部に向けてしまう。「革命」という言葉の意味を考えさせられました。劇中劇という事もあって、この物語の登場人物に感情移入する者、何も考えない者等現代の若者と当時の若者の思想を反映し対比させています。この作品に出演するにあたるインタビュー(もちろん演技)がところどころあるのですがこの作品を始める前と後で表情や感情の変化があったことをしっかりと見せているところが関心しました。(数人の役者は白々しかったですが)特に裕木奈江はホント上手いですね。自分の役割をしっかりと把握している。女性でありながら赤軍の幹部という役(を演じる女優)を見事に自分の物にしてました。ホント、ずば抜けてすごいです。山本太郎は関西弁の利点と雰囲気で助けられていますが、彼も次第に何が正しいのか判らなくなり退廃していく役柄が印象的でした。ラストでクランクアップした演者達が楽しそうに雪合戦をするシーンは、今の若者と革命者達が何ら変わらない同じ人間であったことを象徴していました。正直私にはとても難しいテーマで、胸にこみ上げるものがありそれが何なのかも判りません。そこにはあの時代に私と同じ思いのもう一人の自分がいるような気がしました。 【さかQ】さん 7点(2002-12-25 04:11:08) |
1.言いがかりとも言える総括の恐怖を感じました。ストレスがおこす疑心暗鬼はあそこまで暴走するのか。どうしてあのようなことに至ってしまうのか心理学の面から知りたい。現代の若者を描く事で人間らしさを保った映画でした。昔の場面だけでは大変辛すぎる。 【チューン】さん 7点(2002-12-24 01:27:53) |