1.これはフランス映画ですね?それはともかく古い作品です。俳優の養老院が舞台で、これって他にはないような珍しさですね。その老人俳優達の中で、ルイ・ジューヴェ扮する二枚目俳優がかつての栄光を忘れられず、自分にファンレターを書いたりカフェの若い娘を口説いたりする。それが異常な迫り方で、自分のためには命も捧げるようにと執拗にいう。口車に乗せられそうになっている娘を、かつて彼に恋人を奪われた老優が救う。二枚目俳優はすでに常人ではなくなっていて精神病院送りになる。他にも脇役専門俳優がただ一度の主役をやらせてくれと頼んだのはいいが、セリフが出なくて自殺するとか話は暗い。栄光の人生の果ての寂しい老後の話で、今なら今日的な老後問題だろうがこれが70年近く前の作品だから驚く。