1.昨今のテレビ番組とかで、いろいろと規律のユルかった昭和の時代を「あの時代は良かった」的に振り返ってるのも、正直どうかと思いつつ(これは私ら昭和世代が悪いんですが)、しかししかし、この『がんばれ!!タブチくん!!』なる作品が許され、メチャクチャな形で描かれている本人を含めて、皆が笑って受け入れ、素直に楽しんでた、ということを思えば、やっぱり昭和は良かったんじゃないかと(笑)。これぞ昭和を代表する作品!と言っちゃってもよろしいのでは。
一話10分くらいの寄せ集めというテレビアニメのノリなもんで、纏まりも無いし、絵の方もいたってシンプルでこれもテレビアニメ風。手抜きのようにすら思えますが、しかしそれを逆手にとったような、デフォルメされた世界観、これがやたら楽しかったりします。現実の野球選手をネタにして、現実にはあり得ないようなギャグをかましまくっているもんで、絵の方も非現実、というか超現実。シュールレアリスムですね。
絵が手抜きったって、一部のシーンではちゃんと人物の影を描きこんでいたりして、いや、手抜きなんかしてないんですよ、きっと。
西武ライオンズの対戦相手はなぜかいつも(?)阪急ブレーブスで、ピッチャーはなぜかいつもヤマダさん。アンダースローで器用に投げるシーンが器用に描かれ、実在の山田久志さんの方がよほど動きがメカニックでギクシャクしてたんじゃないか? とも思えてくる。
その他、懐かしい選手や監督が出てきますが、西武ライオンズ時代のノムさん、ってのは、ちょっと貴重なんじゃないでしょうか。
西田敏行さんによるタブチくんのアテレコは、西川のりおさんのテツの声と並んで、本職の声優ではない人が演じる名アテレコだと思います。代わりに務まりそうな人は全く思いつかない・・・
あと、ミヨコ夫人のチャーミングさってのは、アニメ界でもトップクラスだと思うんですが、どうでしょうか。