2.DVDでまた見ましたが、初見は映画館なので環境は映画館にしておきます。いや、正確には映画館ではなく、公会堂なんですけどね。昨年、夏の暑い日に公会堂で見たこの作品は忘れられない。初めて見たときはこの映画をほとんど理解できず、ぼーぜんしたまま帰ったものだが、DVDで再度見直すことにより、少しは理解できたかと思う。
それにしても、この映画にただよう異様な雰囲気は強烈であった。暗くじめじめしたアパートの一室で黙々と臓物を串に突き刺す主人公。そのぐちゅっという音が生々しい・・・。また、その部屋の隣からは人のうめき声が聞こえてきたり、得体の知れない事が日々繰り広げられている。そういった生活の音がリアルに描かれていて凄いと思った。また、大西滝次郎の演技には異論もあるかと思うが、あれは完全に役になりきっていたのではないかと思う。現に公会堂に大西滝次郎が来たとき(本人が来たんですよ!)(監督も!)舞台挨拶で、映画が終わった後も生島のしゃべり方や癖が抜けなくて、もう私生活でも生島みたいな奴になっちゃいました、というような事を言っていたから。他のキャストでは、やっぱり寺島しのぶが良かったですね。すごい存在感です。ただストーリーに関して言うと、後半の心中へと向かうクライマックスがいまいちわけわからん感じで、ただ赤目四十八瀧を紹介しただけの観光映画みたいになってしまったのが残念です。