1.キャンプ中に家族から一人離れた少年が近未来へタイムスリップして、不思議な体験をする冒険物語。全体的には無邪気でお子様向け的作品といった趣向だが、自分より幼い(当然!)弟が、そのイメージのまんま大きくなったような青年に成長しているといったギャップのおかしさや、すべてが少年の夢の中の出来事であったかのような意味合いも滲ませ、つまるところ家族の大切さを強調している作品だったともとれる。しかし本作の目玉は、やはり少年が遭遇し終始行動を共にするUFOだろう。CGがまだまだ珍しいこの時代、ようやく本格的に表現されるようになり始めたのもこの作品あたりから。UFOの次々と姿かたちがナチュラルに変化する様子に、当時驚嘆したもので、そのメタリックな表面に海面が映える不思議さに感動すら覚えたもの。キャメロンが「アビス」でこの技術をさらに進化させ、例の“形が自由に変わる水”をCGで表現したのが、このずっと後になってからだという事を考えると、本作のパイオニアとしての偉大さが分かろうというもの。