1.都会から農村に家族を連れて移り住んだ善人で働き者のジャン。美しい妻とマノンという名の利発な娘という絵にかいたような幸せな家族像。農業に成功するには水が必要。その水をめぐるジャン一家と隣人の物語。第1部はジャン一家が苦闘する様子とそれを陰で見つめながらある計略を練る隣人。最終盤まではそんな様子を淡々と見せていくのみですが、この隣人とジャン一家の人間模様は実に見応えがありました。第1部は計略が成功したかに見える隣人の姿と悲痛なジャン一家の姿というラストを迎えますが、内に秘めたる強い意志を感じさせる娘の表情で話は終わります。これは確かに新たな物語の始まりでもある。第2部のタイトルは「泉のマノン」。そう、この娘の名前です。このマノンと隣人と、泉をめぐる新たな物語に期待が高まるラストです。