19.才気ある青年が戦争を通じて、資産家の一族になるまでの過程とそこからの転落の過程を、描いた傑作。特に後半の息子に追いやられる過程は、今までの人を踏み台にして上り詰めていった人生のツケが回ってきた様で、可哀想だが同情も出来ない。キューブリック作品らしい尋常ではないキャラクターが作品を盛り上げてて面白い。 【SUPISUTA】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-03-17 01:43:56) |
18.18世紀版「スカーフェイス」といったところでしょうか。アル・パチーノのギラギラ感からはほど遠いですが、全編に渡ってライアン・オニールの表情から滲み出る不誠実感が実にいい。またその人生を憐れむように、もしくはあざ笑うように流れる「サラバンド」が心に沁みます。 長尺な上、よかれ悪しかれ近世ヨーロッパの世界観にどっぷり浸かっているので、話の展開は遅く感じます。数日間に分けて見るのが吉か。私は4日かけました。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-26 00:20:07) |
17.スーパーリアリズムというべき再現性をもって表現された映像は一見の価値有。 キャスティングで素人俳優を主役に据えた意図が成功しているのが感じ取れる。 キューブリックの映像にはいつも驚かされるが、このバリー・リンドンはその極みといっても過言ではないように思える。それほどにこの作品は視覚のみでの鑑賞に耐え得る。 【円軌道の幅】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-06 23:57:58) |
16.史劇もキューブリックも苦手と言う全くこの映画に適性の無い僕だが、観てみると意外とおもしろかった。3時間と言う長い尺にもかかわらず、過不足なくバリーの人生を描いており、特に長さを感じることも無かった。原作がサッカレーだそうだが、いかにも彼らしい皮肉たっぷりなナレーションも良い。 また、何と言ってもこの映画の見所は、衣装や音楽、背景に一分の隙もない点だ。完璧主義者の異名をとるキューブリックだが、今までは何でそう呼ばれるのか良く分かっていなかった。でもこの作品においては、何から何までビシッとはまっていて凄い人だったんだと実感した。 一癖ある映画監督の中でもひときわ異彩を放つキューブリックだが、ある意味で、これが一番一般に分かりやすい作品だと思った。でもやっぱり話の筋にあまりにも救いが無くて愛せないんだよなあ。キューブリックファンじゃないけど、この作品は好きです。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-11-18 23:42:23) |
15.主人公が経験することは非凡そのものなのに、この淡々とした語り口は何なのか。大掛かり過ぎるセットと大勢のエキストラが全て無駄に思えてしまうほど。しかし、そう思わせることこそがキューブリックの狙いだったに違いない。戦争中に呆気なく死んで行ったイギリス人にも、主人公にも大した差はないということか。映画の持つ虚構性を逆手に取った凄い作品。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-02 01:31:18) |
14.決して全面的に主人公に共感出来たわけじゃないのですが長尺を飽きずに最後まで見れたのは語り口の上手さとじっくりと画面を見せつつも意思を持ったように動くカメラワークの巧みさによるものだったと思います。繰り返し奏でられるテーマ曲も独特な哀感が強調され印象に残りました。晩年の「アイズワイドシャット」はラストがあまり評判がよくないようですがこの「バリー・リンドン」でのラストの皮肉たっぷりの口上を見てキューブリックの反骨心がこの当時からずっと変わってなかったんだとわかり少し嬉しくなりました。 【MEL】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-24 19:41:18) |
13.動く絵画。登場人物の演技よりも、景色が綺麗で目を奪われる。3時間は長いが、印象的なシーンが多く、何かがあとに残る。無常感。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-27 18:22:35) |
12.長かったけどとても良かったです。綺麗・・。すべてが美しかった。最後の皮肉の言葉にゾクゾクしました。流石です。 【ネフェルタリ】さん 8点(2004-07-31 23:38:24) |
11.キューブリックという人は美的センス?芸術センスかな?が世界中の監督の中で(故人も含めて)最高なんじゃないでしょうか。最後以外パーフェクト! 【モチキチ】さん 8点(2004-05-19 06:12:38) |
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10.大作で、長いのですが、ドラマチックな人生なので、最後まで面白く楽しめました。バリーは光源氏に微妙に似てるのかなとか思いました。キューブリック作品にしてはわかりやすい映画でよかったです。ただ、キューブリックはやっぱりどっかひねくれてた作品しか作りたくないんでしょうね。 【りょう】さん 8点(2004-05-16 07:00:43) |
9.いつも完璧な作品を作っているキューブリックだが、人の一生までやっていたとは恐れ入った。他の作品も確かに完璧ではあるが、それはその人の一生のうちの一部分をピックアップして、そこの部分で完璧に仕上げているのだがこれは明らかにバリーの一生を描ききっている。画や音楽は言うまでも無いが、本作品は人間の一生なんざいくら思い通りになってもこんなもんさと言っているかの様に思わずにはいられなかった。 【taron】さん 8点(2004-04-10 18:50:07) |
8.とにかく美しい・・・。キューブリックの作品を全て鑑賞したわけではないがキューブリックの完璧主義を改めて感じた作品でした。長編にもかかわらず映像や音楽に浸っている間に3時間という時間はあっという間に過ぎていきました。必死に上流階級の仲間入りを果たそうとするバリー、最期にはああいった結末。最初の純粋だった頃のバリーの心はいつ失われてしまったのでしょうか・・・。 |
7.数々のキューブリック作品で鑑賞中断し、挫折を繰り返してる私。『シャイニング』だけが唯一完全制覇できた作品でした。そしてやっとこ、これが仲間入り~。小難しくもなく、カルト色も強くなく気軽に楽しめました。しかし、到底物語の主人公になりそうもないダメ男の話を題材に選ぶあたりはやっぱりキューブリック・・・。ほんとに、何だったんだよ、何の教訓だよー?と問い掛けたくなる内容だけど、TVドラママじゃない、映画の贅沢さを思い切り満喫できました。 【桃子】さん 8点(2004-01-28 15:39:17) |
6.確かNASAから手に入れたと聞きましたが、非常に明るいレンズを使って、ろうそくの火のみをつかって屋内シーンを撮影しています。こういうチャレンジを彼はよくしますね。スコットが「決闘者」で同じ試みをしたかったそうですが、断念したそうです。 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2003-12-12 22:46:09) |
5.緑の丘を赤い服の軍隊が行進していくシーンにやられた。音楽も映像も、これでもか!というくらいに綺麗。絵画のよう、という意見に、すごい同感です。ていうか、ロングで撮ってる遠景とか、奥行きが少し微妙な気がするのは…あれは、本当に絵なんじゃ…?(違う?) 話のほうは、少し古典文学みたいだと思った。別に、つまらないとか難解だとかという意味じゃなくて、ただ、マンガみたいには読めないかな、という感じ。ラストなんかが、まさにそう。でも、観ても絶対、損はないと思う。 【三尾】さん 8点(2003-02-08 19:59:22) |
4.十分長時間だけど,端折った感じのとこもある。 重厚な大河ドラマで、絵画みたいなシーンの連続。 【nb】さん 8点(2002-08-07 15:10:54) |
3.序盤を見て、これはスタンダールだと思った。若くて情熱的な青年がその情熱ゆえに大きな渦に飲み込まれていく。正直、この映画を見ているときはそれほど感銘を受けなかったが、見終わった後にこの映画は何かすごかったな、といった漠然としたものを与える不思議な作品。 【ユウスケ】さん 8点(2001-07-31 11:54:41) |
2.あの当時にしてあの映像の素晴らしさにはいつも驚かされる。さすがキューブリック!!3時間という長さもそれほど感じないほどにリズム良く話は進んでいく。しかしこの作品を通して彼が何を伝えたかったのか分からなかったのが残念だった。 【のりお】さん 8点(2001-01-18 21:10:00) |
1.S・キューブリックが18世紀の世界とその時代の人々の営みを、まるで美術絵画を見るかの如く再現した映像叙事詩。その素晴らしさは光や風や空気までもが、いかにもその時代のものと感じとれるほど。ただ主人公をはじめとする登場人物には最後まで感情移入できないままでした。 【ドラえもん】さん 8点(2000-09-29 14:55:35) |