1.アルモドバル作品の常連だったアントニオ・バンデラスが世界的に飛躍する切っ掛けとなった作品。この映画では意識的に精神病院に入退院を繰り返すという不思議な主人公を演じている。愛するあまりに女性を監禁してしまうことでしか、相手に愛を伝えられない、不器用な(というより危険な?)男を好演。ストーカーものとして普通なら重くなりそうな題材をお伽話風の物語に仕上げたアルモドバル監督の手腕は凄い。原色系の色を多用した映像も、モリコーネの音楽も印象に残る。こういう映画を“理詰め”で見ても面白くも何ともないので注意。