4.まったくの予備知識なしで観ました。ウディ・アレンも変わったなぁというのが最初の感想です。ある意味コメディ、でも今までのシニカルさはあまりなかったように感じる。ちょっとイライラというか「少し黙ってたら?」といいたくなるようなアレン作品独特のセリフ、会話は健在でしたw 話の内容は何度となく観たことのあるモノだけどダルさはないしラストはどうなるのかと結構期待しました。キャスティングも見事!ひと昔前ならクリス役はジョン・キューザックがやったんじゃないかなんてチラっと思ったりもした。ジョナサン・リース・マイヤーズの影のある男の色気がかなりいいです。 主人公のクリスのキャラがいいですね、何がしたいのか、どうなりたいのかというのが最後までさっぱり分かんないの、とても曖昧。それこそ「運を天に任せる」みたい。最初からヒューイット家を狙ってあのテニスクラブに就職したという描写もなかったし・・・唯一意思を感じたのはノラへの欲望ですねw クロエとノラのキャラの違いもさることながら、そのキャスティングがこれまた的を得てる。 特にクロエ役の女優ね、美人じゃないし豊満な体もなく、全くセクシーじゃない。設定の上で何が優れてる?と言われれば「親が金持ち」。その余裕のある育ちからくるおっとりさ、でしょうか。 そのイギリス上流階級の人々の鈍感ともいえる人の良さとクリス、ノラの対比も見事です。 あの刑事たちも含めて、もしかしたらイギリス人への皮肉を込めた作品なのかな? リアルに考えたら有り得ないところが色々あるけど、テーマを考えれば完成度の高い作品だと思います。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-11-18 11:47:51) (良:1票) |
3.途中までは、ウディアレン作品につきもののユダヤネタが無く、神経を病んだ登場人物も出てこないし、正直ありきたりな展開で物足りなさを感じてたんですが、さすがウディ・アレンです、この平凡な物語を、ラスト15分で見事なほど素晴らしい作品に変え、軽い高揚感を与えてくれました。(予備知識なしで観たほうが良いです。) 【TM】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-06-26 18:14:13) |
2.やたらと顔を出す現代絵画とオペラ、そして変則的「罪と罰」といった小賢しさや、登場する人物も含めたこの映画を形作る浅くて薄っぺらなオブジェが、ストーリー以前に映画のいかがわしい雰囲気を見事に成立させている。ロンドンを底とした鋳型にはめ込まれる典型的なブルジョワ家族、魅力的な女優志望の女、そして元テニスプレーヤーで野心に満ちた(そうでもないか)主人公、彼らは自分の役柄を逸脱する事はない。観客を試すようないやらしい面を持っているとも言えるが、冴え渡った演出の巧みさに唸らされること間違いなし。スカーレット・ヨハンソンのファーストショットは堪らないでございますよ。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-25 11:16:07) |
1.放浪紳士チャーリーさんの書かれていた、「登場人物全員が愚鈍」にはたしかに!と激しく同意。全員が単細胞で、自己中心(というより自分+αしか見えない)。上流階級の余裕ゆえか、主役の二人の「上に上がりたい」「この人が欲しい」という強い欲望ゆえかはわかりませぬが。もっとも複雑なキャラ(と思われる)の主人公ですら、単純なアスホール。ヨハンソンは、かわいくてセクシーだけど頭は悪げで、アメリカから来たものの女優としては成功できそうにない(役)。観客に感情移入とかして欲しくない、意図的なアレンの演出なのだろうけど。
実際、やたらとモノローグやらキャラの顔アップなどで心情やら状況やらを説明し、感情移入を促すほとんどのアメリカ映画とは、一線を画しているとは思う。そんな中での数少ない冒頭のモノローグが、映画内でどう生かされていくのか・・・というのはネタバレになるのでアレだけど、私は最後の10分で、ウッディ・アレン、こう来たか・・とやられました。そして、観終わった後、実は124分という長さにびっくり。体感時間は100分くらいだったので。
ウッディ・アレンの他の作品で、もはや彼の作品を生理的に受け付けなくなりそうになっていた私ですが、この映画は楽しめた。もう70代なのね・・・。次の作品も、観たいって思わせてくれた。ちなみに、スカーレット・ヨハンソンには、後半のビッチ振りも含めて9.5点。アレンの次回作(Scoop)でも登場してますよ。鈍くさいメガネっ子役で! ※北米で映画館鑑賞 【オカチ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-06-29 19:29:41) |