3.鎖を外すという地味過ぎる反復作業を永遠と映し出していたので、最初は無口な作品かと思っていたのですが、突然バラバラの言語でマシンガントークをしだすから可笑しい。実際は言葉が通じなかったらあんなに喋らないでしょけど、これはシチュエーションコメディみたいなものですね。国と国との縮図のように、先入観バリバリで理解しようとせずコミュニケーション不調におちいり喧嘩したりするのは戦争に対する皮肉であり、女性の冷めた視線をからめることによってバカバカしく映しています。まるで〝人間は生きているんだぞ、戦争なんてしてる場合か〟とでも言いたいようです。しかし、それよりも女性の強さをより強く感じさせてくれます。どこの国の男が何をしていようが〝生きる〟ことに懸命でたくましい。蜘蛛の巣状に張り巡らせた罠で魚をとったり、性欲をしっかり満たしたりと。そのセックスシーンも激しい声(笑)が聞こえるだけでユーモアがあり女性の強さを証明しているようです。ラストのオチも民話のようで洒落ています。