セブンス・コンチネントのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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セブンス・コンチネント

[セブンスコンチネント]
The Seventh Continent
(Der Siebente Kontinent)
1989年オーストリア上映時間:104分
平均点:6.50 / 10(Review 10人) (点数分布表示)
ドラマ
新規登録(2006-08-01)【エスねこ】さん
タイトル情報更新(2010-09-21)【マーク・ハント】さん
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監督ミヒャエル・ハネケ
キャストゲオルク・フリードリヒ(男優)
脚本ミヒャエル・ハネケ
製作ファイト・ハイドゥシュカ
あらすじ
パパとママ、そして娘。3人の家族が、オーストリアの市街で暮らしていた。我々観客と同じようなごく普通の家に住んで、ごく普通に車でドライブし、ごく普通にスーパーで買い物する一家だ。だがある年、一家は海外旅行を計画した。いや、旅行というよりは移住。預金を全て引き出し、身の回りのものを処分し…オーストリアで起こった不可解な実話を、自然主義的な手法で再現した「ハネケ監督の原点」とも言える衝撃作。
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1.この映画で描かれていないものが一番重要なキーポイントである、という騙し絵みたいな映画。
じゃあこの映画で描かれていないものは何か? …それは宗教(娘の就寝前の祈りのシーンがあるじゃないか! と言う方もいるでしょうが、最終章でそれは無効になったと見た方がいいでしょう)。
ミヒャエル・ハネケはロベール・ブレッソンみたいな(つまり無印良品みたいな)描き方をする監督ですが、ブレッソンのように宗教家ではなく哲学者です。西洋で「哲学者である」というのは何を意味しているかというと、それは「神の存在を疑う人」つまり論理が全てを決める人であるワケです。そういう彼が『セブンス コンチネント』という、こういう題材を選んだ。
なワケで、神が必要な場面に、この映画の中では頼るべき何者も描かれない。
じゃあこの映画で描かれているものは? 家具と日用品と車と洗車機。そして親父さんの職場であるでっかい工場。物質、機械ですな。学校の先生なんか、あんだけセリフがあるのにほとんど顔も出ないです。
この映画は物質文明の到達点を描こうとしているワケです。家族が力を合わせて文明(いや物質)から逃げ出そうとする映画。哲学者であり、主人公たちと同じように神の存在を重視していない監督は、それを肯定も否定もしない。行動を淡々と追っていく(同時に物質との関わりも描く)。洗車機の中で自分の「無力」を感じた事のある人間なら、この映画をポジティブに受け取る素養があるかも。

オイラはまだ、この映画に抵抗するだけの余力が残ってます(注:うーん。観てから一週間、実はけっこうダメージ受けてるかも…)から、この点数にしますが(注:2点UPしました)…神なき時代において、先進国の神なき人間の全てに、同じ立場の求道者として「生の意味」を問い掛けたすざまじい映画が、20年近く前に撮られていた事は間違いないのです。
エスねこさん [映画館(字幕)] 8点(2006-08-01 01:49:52)(良:3票)
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【点数情報】

Review人数 10人
平均点数 6.50点
0110.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5110.00%
600.00%
7550.00%
8220.00%
9110.00%
1000.00%

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