11.ロボットと近未来が表現されなければ「蟹工船」に似た内容に思う。1926年のドイツで既に現代の状況を予知していたかのようだ。かと言ってバブルの時代に、今の状況を予測できた人もいないはず。それに加えて、頭脳と手をつなぐものが心ではない今の世の中が皮肉に思えたりもする。この映画を見てサイレント映画に興味を持ったというレビューがあったが、当時は音楽なしの本当のサイレントだったことに注意してもらいたい。だが1926年当時に見た人にとっては衝撃的な作品だったと思う。そして今観賞しても価値のある作品に間違いはない。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-07 03:02:59) |
10.この映画はホントに驚き。サイレントゆえにオーケストラ音楽が際立ち、またド派手で躍動感のある演技は言葉を補って余りあるほどで、視覚と聴覚で存分に楽しめ、さらにそれらの調和がまた楽しい。ストーリーの単純さやチープなセットは、視点をそちらに向けさせるという意味では逆に良かったと思えるほどだ。非常に印象的なこの映画で私の脳裏から離れないのが偽マリアだ。その演技はとにかく圧倒的で、火あぶりにされるシーンは個人的にハイライトだ。その他、一人ひとりが派手にアクションをする群衆、機械のように働く人間など印象に残る描写が多く本当に楽しめました。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-05 00:22:03) |
9.ドイツ映画は今と違って20世紀前半は独自の存在感。これも7年後のアメリカの「キング・コング」よりアーティスティックな雰囲気では上回っていると思います。二役のブリギッテ・ヘルムの演技はサイレントを反映して大仰ですが、マリアの姿形がアンドロイドと融合するシーンは幻想的で、ロボット・マリアは「禁断の惑星」のロビーやSWのC-3POなどと一緒に映画のロボット史には必ず顔をだす麗しき造形のフィメール・ロボット。女性色が強いのはフリッツ・ラング夫人のテア・フォン・ハルボウの原作だからでしょうか。BRにも影響を与えているといわれますが確かに俯瞰での高層ビルの形状は似ているようで、製作年代を感じさせるのは複葉機ぐらいのイマジネイティヴな2026年。(私はモロダー版ですが今は見られないんですよね) 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-18 06:00:14) (良:1票) |
8.これはけしてストーリーを楽しむ映画ではない。映像のセンスを観てこれは凄い!と納得するように楽しむのがベストだと思う。何しろこんなにも昔にこれだけの映像を作り上げるこの監督の凄さ、それもサイレント映画として見せているのも凄い。近未来の大都市とはこんなものなのか!なるほどね。とか、また人間社会における支配する者とされる者の考え方についてここまでリアルにしかも、サイレントだから当然の如く台詞も少ない。それでいて、人間が機械によって翻弄される様を光と影によって浮かび出す凄さ、マリアの逃げる姿こそ人間本来の姿ではないかと考えさせられたと同時に近未来の雰囲気が本当によく描かれていて感心させられました。私が観たのは淀川長治さんの解説付きのですが、もう一つの完全版も観たい気がする。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-06 22:09:21) (良:2票) |
7.C-3POの前身となるあのロボットのデザインだけでも見る価値あり。人間そっくりにロボットを作れるのにメーターの針をランプが点灯したところに死にもの狂いで動かさなければいけない機械って..て、そんなこと考えちゃダメですよ。この作品のパイオニア的価値はたくさんの方が語っておられるのでもう言いません。では、そういった価値を無視して楽しめるか?..楽しめます。サイレントであっても、あれだけ多くの労働者の暴動を生身の人間で見せられたら、その迫力たるや圧巻の一言。ラングは(時代が時代なだけに)集団心理の異常さを常々警戒していたのだろうか。他の作品でもよく描いている。この作品でも、自分たちの子供の命すら忘れてしまう群集の異常心理を描きます。真相を知り冷静な判断ができる人間がいなかったら恐ろしい結末を迎えるということを警笛しているようにもとれる。そういった部分をさらっと描いて娯楽映画に仕上げるのが実に巧い監督です。 【R&A】さん 8点(2004-09-21 15:39:21) (良:2票) |
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6.ジョルジオ・モロダー音楽版も、ここでいいのかな? えーと、完璧なバージョンからするとかなり映像が欠落しちゃってるようなので、正確に「見た」と言っていいのかどうなのかは、ちょっと疑問なのですが、その圧倒的な映像にはすっかり魅了されました。未来世界を描くイマジネーションの豊かさ、凄いモノを見せようという本当の意味での「視覚効果」は、むしろ今の時代の映画よりも斬新でインパクト大。でも、とどめを刺すのはブリギッテ・ヘルムの美しさでしょう。何故か、サイレント時代の女優にいちばん美を感じてしまう私。美の追求に関しては、昔の方がセンス良かったような気がして仕方ありませんのぅ。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-01-15 12:57:40) (良:1票) |
5.1926年の作品ですがちょうど100年後の世界を描いてます。CGなんてない時代に、この未来世界の都市の造形はもう見事!と感嘆してしまう。高層建築の合間を飛行機が飛び、立体交差のハイウェイには車が行き交っている。こういう想像力がすごい。地上の一握りの支配層と、地下の多数の労働者という資本主義的世界を描いているが、その橋渡しをする救世主が資本家の息子だった、という話。半分に短縮されてるからか、話にやや疑問点はあるものの圧倒的な映像世界だけでも一見の価値がある。虐げられた労働者の群れは皆うつむいてロボットのようだし、仕事場面はまるでダンスのような動きをする。労働者を率いるマリアとロボットは的確に演じ分けられている。ロボットがマリアに変身するシーンも斬新、当時の人々はさぞ驚愕したことだろう。 【キリコ】さん 8点(2003-12-04 18:26:32) (良:2票) |
4.ストーリーはさておき、セットの美術と特撮が素晴らしい。しかも、この当時としては相当の巨費を投じているはず。リアルタイムで見たならば、観客はド胆を抜かされたに違いなく、サイレント時代のSF映画の傑作と言われるだけのことはある。とりわけ人間型ロボットの斬新なデザインと美しさは特筆もので、後のSF映画に多大な影響を及ぼしたのは言うまでもない。ただ、かなり昔の作品ということもあり、画像が傷んでしまっているのが残念です。 【光りやまねこ】さん 8点(2003-10-05 19:50:12) (良:1票) |
3.作られた年代からしてもそう感じるのは当たり前なのかもしれませんが、ストーリーは単純というかSFの王道的なものですが、それでも見ていてハッとさせられる、面白い。どんな題材を撮るかよりもどんなふうに撮るか、きっとそれが映画のおもしろさを決めていて、この作品はそれがすごく個性的で魅力的なのだと思います。本作から70年以上あとに発売されたジェフミルズのサントラも良いです。 |
2.人造人間とか、巨大都市とか、美術的にデザインが素晴らしいと思った。そして、地下の機械工場で働く労働者たちの機械的な動き。どことなくコミカルでもあり、悲壮感を漂わせていて凄いインパクトがあった。 【きのすけ】さん 8点(2003-07-25 21:44:15) |
1.当時であれだけの美術力は凄い。最後がちょっと弱い感じがしたけど。 【M】さん 8点(2001-05-07 11:25:27) |