6.タランティーノが『パルプ・フィクション』で取り上げたように、アメリカを代表するサブカルチャーがパルプマガジンの三文小説であるならば、日本を代表するサブカルチャーと言えば?マンガ?アニメ?
いや、サブカルを名乗る以上は、もっと「サブ」で無いといけない、どからそれはやっぱり、「エロ本」でしょう、と。そこには間違いなく欲望と才能とエネルギーが渦巻き、クダラなくもスバラしい何かが生み出され続けてきたワケで。今やpanchiraは世界共通語。かどうかは知らんけど。かつてエロ本界を代表する雑誌の一つであった「投稿写真」の最終号には、社会学者の宮台センセのインタビューも載ってたっけ。などと思い返しながら観てたら、この映画にも一瞬、宮台センセ本人が登場して、ビックリした(笑)。
家族「愛」とか、男女の「愛」とか、作品のテーマは極めて一般的、普遍的なのに、どうしてここまでネジクレ返ってしまっているのか、壮大な、誠に壮大な廻り道。対極にある「孤独」をも描くからこその、廻り道でしょうけれども。
このネジクレてブッ飛んだ世界を、4時間やり切ったことがまず、素晴らしいです。4時間、退屈させないということがすでに、作品の動機の一つになってるような。
最後のThe Endで、映画が無事に終わったこと自体に笑いが込み上げてしまう。稀有の経験です。