12.リュック・ベッソンの映画は個人的には大嫌いなモノが多いのですが、これは素晴らしい作品だと思いました。 幼い頃のジャンヌは信仰心が強く、無垢で素直な女の子だった。しかし、母親や姉が虐殺されることにより、自分の心の中にある神の存在、神の御心をゆがめて解釈してしまうようになってしまう。自分が神の第一の殉教者と思いこんでしまうのである。 彼女の中にあるソレは『復讐心』であり、神の教えを自分の都合に変えてしまい、気が付かぬうちに虐殺を繰り広げる結果となっていくのです。 奇しくも今現在行われているイラク人のジハードは、正にジャンヌの行いとよく似ているのではないか? アラーの御心に任せての聖戦と唄った自爆テロは、神の導きを勝手に自分なりに都合の良いように解釈して虐殺の理由付けにしている。つまり、虐殺を神の責任として押しつけているのです。 しかし、イラク人とジャンヌには決定的な違いがあります。ジャンヌは『懺悔』の心が有りました。ラストでは自分の行いに気付き、神の使い(ダスティン・ホフマン)に自分の行いを懺悔しています。 これに気が付くのと気付かないのでは天と地ほどの差があるのです。 |
11.意外とよかったです。最後の方はかなりヒートアップしてきて、ダスティン・ホフマンの”自我”とのやりとりが陰惨な感じでした。私も高校の頃、ジャンヌ・ダルクってヒットラー並の大衆心理操作の使い手か、あるいは超トンデモ少女かのどっちかなんだろうなと想像していたので、イメージにぴったりでした。ただ、残念なのは前半をいかにもな歴史戦争大作映画っぽくしてしまった点。後半がよかっただけに、これでは前半で「こういう映画なんだ」と思いこんでしまった観客は後半の激しく直接的な心理描写に置いてけぼりを食らってしまうでしょう。私も展開について行けずしばし口あんぐりでした。音楽がまるで「カルミナ・ブラーナ」のパクりなのには幻滅。 【おしりはばとび】さん 8点(2004-09-24 23:48:30) |
10.言いたいことや、描きたいことがいっぱいあったのでしょうね。ストーリを分解して、それそれを楽しむといいです。 【オドリー南の島】さん 8点(2004-03-26 16:52:33) |
9.フランスが誇る不滅のヒロイン、ジャンヌ・ダルクを敢えて祈祷性精神病患者の疑惑を漂わせて描いたのがリュック・ベッソンだったというのが面白い。これをフランス人以外の人がやっちゃったら大変ですよ。実際のジャンヌ・ダルクが本当に神のお告げを聞いたのか?それとも単なるイカれた姉ちゃんだったのか?というある種のタブーを取り上げた、非常に興味深い映画だったと思います。ただし私は異常に戦争映画が好きなので、この映画でもジャンヌが「Follow me!」と叫んでダーッと軍隊の先陣を切るところですっかりコーフンしてしまい、必要以上に面白がってしまったという意味では公平な判断が出来ているのかどうかもう一つ自信がありません。女性が軍隊を率いて闘う戦争映画って普通あんまり観られませんので、戦争映画好きの女性という立場からはこれがそこそこ面白いのは当然なのではないかと。ただし後半、妄想なのか神なのかはっきりしないダスティン・ホフマンの執拗なささやきなんかは、あーこれは狂気を扱った映画なんだと気づいてちゃんとそれなりに興味を持続できました。おそらくこの映画では、ジャンヌ・ダルク精神病患者説を主に主張していると思えるのですが、それで勝てちゃうプラシーボ効果みたいなものもまた否定できない事象ではあるので、歴史物としても戦争物としても、ある程度のクォリティは保てていると思います。実は私、公開当時この映画が気に入って3回観ました。後で周りの評判を聞いたらすごく悪かったので驚きましたが、よっぽどウマが合ってしまったのでしょうか。 【anemone】さん 8点(2003-12-20 03:51:11) (良:2票) |
8.一本筋が通った映画だと思います。一回観ただけでは、イマイチつかめないけど、また観てもいいかなぁと思わせる内容でした。ジャンヌはたんなる狂信的な人間だったのか?それとも純粋な聖者で、それをさんざん利用したあげく最後に責任を全て負わせて切り捨てたのか?どっちかなんでしょうね。でもカップルで観るにはちょっときつい内容かも?あと時間が長-------い・・・。 【たかちゃん】さん 8点(2003-11-12 19:29:21) |
7. Milla Jovovich(冗談かもしれんが本人は「”ヨボビッチ”なんだけどなあ」なんて言ってました。)が好きなのでこの点数かもしれませんが,かなり,この雰囲気好きです。史実のジャンヌ・ダルクも以外に彼女が演じているようにかなり切れてたんじゃないかなあと。周りの人間(男ども)も従うふりして結局,利用してただけ。たぶん,そこだけ描きたかった(伝えたかった)んじゃないかと思うと,いい作品だと思う。きれいなJovovichと泥まみれで切れまくるJovovich。信ずるものに突き動かされた人間は良くも悪くも変わるものだと。 【蝉丸】さん 8点(2003-11-02 00:34:42) |
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6.戦闘シーンと美術のリアルさに拍手。音楽の使い方も比肩する映画をあまり思い出せないほど秀逸。史実におけるジャンヌという人物を徹底的に現実として描いた意欲作として高評価。日本という特殊な宗教文化を持った国で育てば宗教の位置付けや意味などはあまりわからないだろうが、知識として補間できれば二度目には細かな描写の徹底ぶりに圧倒されるハズ。娯楽を追及せず作品を追求した典型的「芸術大作」である。9点をつけたいところだが、ミラのところ構わない電波演技がムカつくので-1点。そろそろ演技の機微を知れ。 【DeVante】さん 8点(2003-09-16 18:13:28) (良:1票) |
5.ジャンヌ・ダルクの盛衰がうまく描かれている。言うまでも無く前半が盛、後半が衰。キリスト教的視点からの「聖女としてのラ・ピュセル」ではなく、生身の人間として描こうとした姿勢は評価に値する。これは宗教映画ではなし、決して英雄叙述でもない。宗教的な要素をた多分に含む題材にリアリティーを求めた作品として高い評価を与えたい。一人の人間を描くときに、その人生の絶頂で筆をおくのはエンターテイメントとしては許されるが、歴史物を扱うときにはなるべく避けて欲しい、というのは個人的な考えだが....一神教において、狂信者と敬虔な信者とは紙一重である。私はこの両者の明確な定義を定めることは出来ない。純粋であろうとすれば異分子を排除するようになるし、異分子を認めればそれは不純である。特に中世キリスト教にはそんな危うさがあったのは周知の事実。時代背景となる百年戦争自体が同じ神を信じるもの同士の殺し合いであり、その中で一人の娘が一方からは聖女と呼ばれ、他方からは魔女と罵られ挙句の果てに火刑に処される歴史的事実を他に類を見ない生々しさで描き、中世キリスト教の危うさとその蛮行を見事に映像化できている。欠点としては、こういう描き方をするなら徹底的に宗教(前半の神の声や後半の具現化した神の姿)を排除して欲しかった。よって-2点。しかし、それではジャンヌ・ダルクを描くのは至難の業であろう。 【素人@史学】さん 8点(2003-02-12 00:04:03) (良:1票) |
4.ジャンヌが、本当に一人の人って思えた。宗教狂っている感じが、ちょっと残念だったけど。戦争シーンはリアルで怖かったです。 【つき】さん 8点(2001-11-15 09:46:06) |
3.神のお告げを聞くべくして聞いたという、どこか世俗を超越した人物ではなく、このジャンヌは、とても「人間」くさい。戦場でのジャンヌの悲鳴や、告懺をしなければという脅迫観念めいたオブセッションも、ジャンヌの「人間」故の限界なのだなあ。わたしも、ジャンヌの「実際」はこんなだったのではないかと思うし、かえって、説得力というか現実味があると思う。 【ぶんばぐん】さん 8点(2001-01-09 09:23:36) |
2.当時の宗教的観念がすごかった。でもミラ・ジョヴォヴィッチはCUTE。適役じゃないかな。 【ロビン】さん 8点(2000-09-01 02:30:45) |
1.利用するだけ利用して、都合悪くなったら、ぽいって捨てる。シャルル2世(だっけ?)は、ひどい。でも、どうして、ジャンヌにはあんなことができたんだろう。実在の人物だけに、すごい。どこまでが本当で、どこからが虚構なのか、判断不能・・・。 【Claire】さん 8点(2000-07-11 12:39:29) |