1.第2次大戦下のワルシャワ、地下水道を彷徨うレジスタンスの姿を、執拗に描きます。際限なく続く、暗闇の地下水道。当時の明日なき戦況、出口の見えないポーランドの姿をそのまま象徴しているような、異様なまでの重苦しさです(川口浩探検隊の洞窟探検ですらここまでの圧迫感は無かったゾ。ってオイ何と比べとんねん)。ま、型破りな映画であって、バランス良い映画とは言い難いかもしれませんが、まさにその仮借なき描写によって、本作は確かに異彩を放っております。ところでワイダ監督は1926年生まれ、この映画で描かれる時代は彼のまさに多感な時期のはず。それから約十年、30歳そこそこで、これほどまでに感傷を排し冷徹な視線で映像作品化するこのセンス、驚くべきものがあります。