1.中国映画いくら元気がいいからって、娯楽映画の分野では20世紀中には世界に追いつけまい、と思ってたら、本作でやられた。1991年。中国映画が娯楽に手を出すとしたら香港映画の流れが合流する形かと想像してたんだけど、また西安電影から来た。ここが新中国映画すべての発祥地のようだ。香港のように脂ぎってなく乾いている。音楽が馬具の音や足音と絡んで面白い効果。悪党に苦しめられる砂漠の町、青年と娘じゃなくて少年と少女が軸になり、昔話的な伝説性が高まる。直射日光のはっきりした影、テーブルの端に座っている娘と机上の鶏、悪漢どもが砂丘の上に立ったときボスだけ馬を横に向けている、などこれ見よがしでない程度にキザ。援助に駆けつけるかと思わせていた人物がとんだ食わせ者という設定は、深読みすれば天安門事件の傷と通じ合いそう。