《改行表示》44. 冷戦時代の東ドイツを舞台に、オーウェルの小説を思わせる「1984年」から始まるディストピア。シュタージの監視・密告社会がいかに過酷なものであったか、マスコミ報道で知識はあったが映像で可視化されると改めて実感が湧いてくる。言いたいことが言え、やりたいことがやれる社会がどれほど大切か痛感させられる。人間性を押し殺した無表情の主人公や、無機質で殺風景な街並みが「社会主義」の現実を見せつける。 独裁国家における監視社会の実態を暴きながら、一人の男の心の変遷を丁寧に描いている。監視する側が監視対象の人間味あふれる行動に心揺さぶられ、最後は人間としての尊厳と自由に目覚める。音楽が重要な役割を果たし、邦題はそれを象徴的に表して秀逸。 かつて「〇〇と△△をむすぶ」という定期刊行物に、東ドイツの訪問記を寄稿した連中がいた。散々かの国を礼賛した彼らはこの映画を観て何思う? 【風小僧】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2023-03-19 13:39:06) |
43.冷酷なナチス政権下での物語。初めは正直アクビが出る作品だと思っていたが、後半は面白い。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-07-15 10:56:21) |
《改行表示》42.幸せも悲しみも映画の中にきれいにはまっている。 ラストのセンスの良さは群を抜いている。 なんてすばらしい邦題なんだろう。 傑作! 【JF】さん [DVD(吹替)] 8点(2015-10-26 15:26:59) |
《改行表示》41.画面から終始漂う厳かな雰囲気が特徴の、映画らしい映画。 主人公のはげ頭のおっちゃんの人間像が丁寧に描かれているわけではないので、 彼の心境の変化が唐突に感じられるかもしれないけど、そこはあくまで想像力で。 このおっちゃんに感情移入できるかどうかが、本作に好印象を覚えるか否かの一番のポイント。 タイトルどおり、人間の善をテーマにしているも、ベタなシーンはほぼ削られており、 製作者側のセンスを感じさせてくれる。秀作。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-27 02:12:17) |
40.管理社会も人間の美しい部分を完全に奪うことなどできないのだなあ、となんだか勇気が湧く。美しい部分て、例えば友人をかばうことだったり、人に恋をすることだったり。監視される側とする側は、美しい要素を持つ者と持たざる者という見方もできる。当局ににらまれる芸術家たち 彼らに比べて圧倒的に社会的強者である大尉の、しかし私生活のなんと寂寞として無様なことか。クリスタに恋するヴィースラーの、必死な表情に胸が詰まる。彼女の尊厳が自分の上官に踏みにじられるのは耐えられなかっただろう。終盤、ドライマンに「君なんか完全監視だよ」と言い放つ元高官の、いまだ残る優越の表情に血圧が上がりそうになった。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-04 15:09:06) |
39.エンドロールを見ながら、ああこれは「無法松の一生」にちょっと似てるなぁと思った。一種の美学ですね。人間にしかできない、きれいなこと。 【kagrik】さん [地上波(字幕)] 9点(2011-04-16 12:06:52) |
38.ヴィースラーの無表情でありながら淡々とした演技に味があり、私は魅せられました。終始重い雰囲気の映画ですが、そこが良い。登場人物ほぼ全員が知性的ですが、そのやり取りは決して理解し難いものではなく、洗練されていて、見ていて惹きつけられました。 【もんでんどん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-10 14:31:50) |
37.大尉の無表情な中、目で見せる演技が見事。見た人の内面にジワジワと染み込んでくるような映画です。愛を感じさせるラストシーンも素晴らしい。ヴィースラー大尉役のウルリッヒ・ミューエ彼が亡くなられたのが本当に残念です。自分の中では100点の映画です。 【akila】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-02-19 02:47:06) |
36.真摯にきっちりと作られているものの、表現としては十分でないところがあってドイツ映画らしく生硬かもしれませんが、何を描きたかったかは伝わってきます。 最後もドライマンが自分のために大きな犠牲を払ったヴィースラーにもっと報いてあげてほしい気はしましたけれども、相手の誇りを傷つけずに自分にできる最上の方法を選んだのでしょうし、相手もまたその気持ちを受け取った。 一度も言葉を交わしたことのない人間同士の友情の表現として簡潔で清しいものに感じられます。 クリスタの魅力が薄いのは「男の映画」だからでしょうか。 彼女の女優業への情熱は恋人ドライマンよりヴィースラーの方が理解していたのでしょうね。 他人のために得にもならないことをする人は、このような特殊な状況下でなくとも世の中にいてほしい気がします。 (ドライマン役のコッホは「飛ぶ教室」の禁煙さんでしたが、ゲデックは「マーサ」とはわからないくらいイメージが違いました) 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-17 00:30:05) (良:1票) |
35.ドイツ人のみならず人類が大切にしていきたい映画のひとつ。実話ではないにせよ、東ドイツの抑圧された社会や東西ドイツ統一が人々にどのような影響をもたらしたかを改めて振り返る機会となった。全体としては当然悲しい物語だが、最後に素晴らしい場面が待っていました、この感動の余韻はもうちょい続きそうです。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-04 21:33:06) |
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【doctor T】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2010-09-03 23:33:47) |
33.序盤は重くて淡々と進むがラストが良くて見応えのある作品。 【BOW】さん [DVD(吹替)] 9点(2010-08-29 06:50:15) |
32.東ドイツって、不自然なほどスポーツが強い(オリンピックでは)イメージがあったけど国内の実情は物騒だったんだな~。いずれにしても行きすぎた国家権力って恐ろしい。重苦しい内容の作品ですが、ラストがとてもいい。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-30 23:20:57) |
《改行表示》31.社会主義の中、国家と良心(愛情?友情?)に悩まされるヴィースラーの哀愁が素晴しい。 重い雰囲気だが、映像&音楽が非常に美しく素晴らしい映画。 【のははすひ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-03-13 23:05:25) |
《改行表示》30.冒頭、ヴィースラーが舞台上のクリスタに恋をするシーンから、僕はこの作品の魅力に嵌ってしまった。 盗聴を通じて彼女を知っていくという卑猥さ、ファンとして彼女に道徳的なアドバイスを送る誠実さ、自らを犠牲にしてまで彼女を救おうとした献身。 なんとも言えない哀愁が後に残ります。 こんなにも切ない片想いを描いたラブストーリーがこんなにも重たいテーマの中で語られるという奇跡的なシナリオに敬意を払いたいと思います。 壁の崩壊ですらヴィースラーの中にある空虚のようなものを癒すことはできなかったようだけど、レジでの彼が少し笑顔だったように感じられたのがせめてもの救いです。 【もとや】さん [DVD(吹替)] 9点(2010-01-06 13:59:30) (良:3票) |
《改行表示》29.ラストシーンでの「これは僕のための本だから」と言うただ一言のセリフのために、ストーリーが進むそんな映画ですね。 最初は秘密警察の将校らしいヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)がクリスタ(マルティナ・ゲデック)とドライマン(セバスチャン・コッホ)と盗聴により接することにより、だんだんと人間味がにじみ出てくるところを上手に描いており素晴らしい。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-16 23:41:22) |
28.じわじわ来ますね,この映画.ラストシーンが非常に温かく印象的です. 【noji】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-07-26 07:11:36) |
《改行表示》27.グッバイ・レーニンもそうだったが何で東ドイツを扱った映画ってのはこんなに面白いのか。「東の優等生」らしくある程度西側に近い生活は担保されていて居るにもかかわらずやはり理不尽な統制がされたプライバシーもへったくれもない市民生活のシニカルさとシュールさ。政治的にもソ連のような粛清の連鎖ということもないため重くはなく(失脚も日本のような島流し的な罰が多い)どこか無能さが滑稽で、そして最終的に壁崩壊という救いがあるからだろうか、単純に面白いと思える。あの悪名高き国民監視組織シュタージの実態をエモーショナルな脚本で描き出した優れた社会派作品。 最近北朝鮮から脱北した人が韓国社会に適用するための教育(地下鉄の乗り方など)のニュースを見たが、まさに現在これと同じことが起こっている朝鮮半島の正常化を祈る。それが果たされたときまた同じような作品が書かれるのだろうか…革命のためにも…正男!!しっかりしなさい!! 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-06-04 06:23:01) (良:1票) |
《改行表示》26.主人公の心の移り変わりをもう少し丁寧に描いてくれたら、もっと主人公に感情移入できたと思う。 主人公と作家が最後まで顔を合わせない演出はとても良かった。 途中いいシーンがいくつもあったが、オチが自分の読み通りだったため、 大きな感動は得られなかった。 映画の雰囲気自体はとても好み。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-25 03:23:52) |
25.いかなる社会であれ、模範的であるということはその社会体制に迎合し、それになじめない人々を迫害することでもあります。それは民主主義においても同様です。正義や権利を盾に他人を追求することに生きがいを感じて暮らす人たちがそうした自分の生き方に疑問を感じ始めたとき、私たちは真の意味で自分自身の魂を取り戻すことができるのかもしれません。話は変わりますが、「グッバイ・レーニン」ではこの映画と同じ時代を庶民の側の目で描いています。 【きのう来た人】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-05 06:37:17) |