20.この映画の主眼は殺人鬼がどういう人間かという点ではなく、殺人鬼が現れたことで社会はどのように変化するかという点に置かれています。明確な主人公が設定されていないのも、あくまで社会の多様な人々を描くことが目的だからでしょう。悪人の魅力や異常性よりも悪人の平凡さ、脆弱さを強調しているのは後のサイコキラーものには見られない点です。暗黒街と警察、殺人鬼と民衆、倫理的にどちらか一方が優れているわけではなく対等なものとして描いています。全編に渡り音楽が全く流れませんが、完全に無音になるシーンは演出に感心する以前に機械の不調を疑ってしまいます。窓の外からカメラが屋内に入り込むシーンはよく見ると窓を不自然に動かしているのが見えちゃってます。ラストもぶつ切りのようでえっこれで終わり?と思ってしまいます。構成とテーマには今見ても感心するものがあるのですが、ところどころ演出に違和感を覚える箇所がありそこには時代を感じてしまいます。 |
19.冒頭から演出が冴えまくる。ドイツ期の最高傑作であることは疑いの予知がない。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 9点(2016-12-11 03:23:28) |
《改行表示》18.連続殺人鬼を追う、警察と民衆の姿を描いたサスペンス。 単なる捕り物劇というわけではなく、追いつめられる犯人の心理や 民衆たちの狂気にも似た群衆心理がよく描かれていて、中々狙いの面白い作品。 ただこの年代のトーキー映画は、まだまだ生まれたての赤ちゃんといった感じで、 やはり全体の作りが甘い。殺人鬼以外の登場人物たちのキャラがはっきり確立されておらず、 非常にわかりづらいために取っつきにくい。犯人役の役者さんは個性があるし、 演出も悪くはないんだけど・・・。古い映画なので仕方ない部分はあるのかな。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-09-05 03:39:14) |
《改行表示》17.個人的にはもっとシンプルなサスペンスを期待していて、ラストにかけて集団で追い詰めていく流れは好きじゃないです。今見ても非凡なシーンがたくさんあって驚きました。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2010-10-27 22:47:29) |
《改行表示》16.1930年代にしては犯罪モノとしての完成度は高い。 そこはさすがF・ラング。 しかし、やはりどうも古臭さを感じる。 ただし、その古臭さを、サイレント作品を楽しむような感覚で堪能できれば、また別の面白味が出てくるかもしれない。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-08-24 23:26:29) |
15.実話を元にしている事、監督のトーキー初作品という事を本サイトにて知り、リアルタイムで鑑賞された方のインパクトは並みではなかったと想像されます。78年前の私設裁判の模様は現在に通ずるものがあり監督の先見性に驚きました。また、「国家は精神に異常をきたした者の犯罪を裁けるのか?」ナチス台頭に対する監督の不安を表していたのかと考えると不気味さが一層増しました。冷酒と親の意見はではありませんが、あとから効いてきた作品でした。 |
14.連続殺人事件のサスペンスかと思ったら、後半の集団での魔女狩り的行為がこわかった。Mの使い方がいいね。犯人があおい輝彦と彦摩呂に見えた。 【Michael.K】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-01-20 18:59:05) |
13.♪いつも一緒に、いーたかったあ、隣で、笑ってたかった~・・・すんません、オヤジギャグが大好きなお年頃なもんで。とゆー訳で本題。うーん、影の使い方が怖い。直接残酷なシーンを出さずに観客の想像に任せてる所とか、さすが。ただ、確かに殺人犯だけでなく、群集の恐ろしさ、心の暗部を描いているのだけれど、気のせいかあまり「まがまがしさ」みたいなものは感じなかった。どこか、冷静に人間を俯瞰して捉えているような感じがしました。よくよく考えてみると、それもある意味怖い気がする。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-11-20 15:12:04) (笑:1票) |
12.トーキーでありながらサイレントさながらの演出がふんだんにある。中でもラングといえば影の演出。幼女連続殺人というおどろおどろしい題材に、この影の演出がいっそう効いている。そしてこのおどろおどろしい雰囲気は殺人鬼だけが醸し出しているわけではない。誰もが犯人に見える(犯人に見たてる)民衆心理、私刑に及ぼうとする群集の危険性。むしろこちらの恐怖が際立つ。子供を守るという目的がいつのまにか犯人を探すことが目的に変わり、裁くことが目的に変わる。『メトロポリス』でも書いたが、この作品ではラングの群集心理の危険性への警笛がいっそう濃く反映されているように思う。ともあれ、ただの犯人探しではないゆえに全編に異様な緊張感を持続させます。犯人が潜む部屋がどこか判明するのが”音”であるのは初トーキー作品ゆえのご愛嬌か。 【R&A】さん 8点(2004-09-22 12:04:32) (良:1票) |
11.異常犯罪者による小児殺人の犯人探しの映画かと思ったらさにあらず。途中から魔女裁判さながらの意表を突いた展開には驚き。これはこれでかなり怖い。泣き喚きながら許しを乞う犯人の末路が哀れ。 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2004-03-14 16:52:09) |
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【藤村】さん 8点(2004-03-07 17:10:59) |
9.意外な展開に意外な結末。古典なんてシンプルなものだと思い込んでいた自分を恥じた。たださすがにこの時代のものは画質が悪いので耐えられない人はいるだろう。 【ぷりんぐるしゅ】さん 5点(2003-12-08 16:00:13) |
【STYX21】さん 6点(2003-11-23 22:47:13) |
7.随分古い映画なのにおしゃれな感じがしました。いろいろ詰まっていてすごい映画だとは思うけど、好きかどうかというとわかりにくいのでちょっと・・・。 【るいるい】さん 6点(2003-10-06 17:55:00) |
6.本作のように、実在上の変質的な殺人鬼を主人公にした映画というのは珍しいのではないだろうか。そういった意味では、ずいぶん異色な恐怖映画だと思う。殺人鬼ピーター・キュルテンを演じたピーター・ローレの演技が秀逸かつ印象的で、とくに暗黒街の住民に裁かれる中、自己の異常心理を告白するシーンには鬼気迫るものがあった。その他にも、少女に声をかけたり、ビル内で逃げ回る等、緊迫する場面が数多く脳裡に焼き付いている。それだけ記憶に残るということは、犯罪恐怖映画として優れており古典となるべく作品なんでしょう。 【光りやまねこ】さん 8点(2003-06-22 20:12:39) |
5.サイレント時代のフリッツ・ラング作品は、今観ると緊張感がなく、物足りないものが多いのですが、トーキー作品は今観ても怖い・巧いものが多いです。其の中でも、この作品は”M”の文字の見せ方が非常に印象に残っている怖い作品です。 【上海魔人】さん 9点(2003-06-17 03:16:44) |
4.ドイツ映画で、下に英字幕があるという珍しい尺で見た。トーキー初期の名作の一つだが、犯人が捕まるまでが少し冗長。私刑裁判のシーンとピーター・ローレ(犯人役)の名演技が目を引く。犯人のモデルになったのは殺人鬼ピーター・キュルテン。 【ひかりごけ】さん 7点(2002-03-24 03:14:18) |
3.自分が見た大どんでん返し系サスペンスの中で最も古い作品だった、しっかりしたストーリ展開とラストの緊迫感は秀逸だと思う。 【かぶ】さん 7点(2002-01-15 05:54:32) |
2.サイコ映画の原点とも言える名作。映画の構成、カメラの使い方、どれをとっても素晴らしい逸品。 【M】さん 10点(2001-04-20 00:26:20) |
【出木松博士】さん 8点(2001-01-15 19:27:22) |