18.向かいの子どもと取り替えられた子だというのは結局トマの妄想だったのだろうか?トマもアルフレッドも結局アリスの幻影から逃れられていなかったのが悲しい。ストーリーは切なく映像も印象的だが、場面や時間がちょくちょく移るので観ていて疲れた。好み30/50、演出8/15、脚本8/15、演技8/10、技術4/10、合計62/100→6/10点 |
17.あまりにも狂いすぎている人というのは、かえって怖くないのです。演出をやりすぎて逆に作品が閉塞しています。アリスお姉ちゃんの可愛さに4点。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 4点(2016-06-03 21:50:50) |
16.最初はサスペンスかなと思ったけど、明るく楽しげな主題歌が重い空気を吹き飛ばしてくれた。姉のアリスがかわいい、いや魅力的。主人公のトマが何もなかった人生と言っている割にはいろいろあっておもしろかった。ピストルを構えているにしては、ファンタジックで、爽快感がある。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-12 06:36:58) |
《改行表示》15.観終わったあとのこの爽快感はなんだろう。 一見すごいことなんもしてそうにないのに、速度を落とさず、転ばず、そのままとんでいく安定感。観たあとに映画っていいもんだな、と思える名作。 じっくり時間をとって、夜にしっとりと観るといいと思う。 【おでんの卵】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-01-27 20:26:58) |
14.社会学的に見ると、アイデンティティの不安とか何とか、人生論的に見ると、他人への妬みや呪いを支えにして生きることの不幸とか何とか、心理学的に見ると、ユングの影とか何とか、いろいろ出そう。面白いのよ、一応面白いんだけど、なんちゅうか、作者の設計図が見えすぎちゃってるというか、醒めすぎてるところがあって、酔わせてくれない。ちょっと窮屈。若い監督なんだから(当時)、もっと破綻ぎりぎりの冒険もあってほしいところ。ラストの笑いはなんだったんだろう。他人を呪うことで支えられていた自分の人生の空しさを知ってしまった絶望に裏打ちされた笑い? 人生ってものを哄笑するような、ドロッとしたような、他人に対する呪いがもう社会を超えて神にまで向かったような。自分の人生を他人に奪われたと思い込む人間ってのにピンと来るか来ないかが、本作を楽しめるか否かの分かれ目のよう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-12-02 09:42:03) |
13.もの凄く切なくなる映画。この作品は、生きていれば、誰もが一度は考えてしまうであろう「自分の人生って一体・・・。この取るに足りなさよ。なぜ生きているのか、自分!」という答えのない問いにまともに向き合っているのです。本作なりの答えはラストに集約されています。結局、この問いに対して自分なりに答えを見つけられるのは「死」を目前にした時でしかないのかも知れません。ヒッチハイクしたトラックの中から、追い抜かれたトラックの荷台で亡きお父さんと愛する姉アリスが陽気なシャンソン『ブン』を演奏する幻を見るシーンで涙がジワッと来ます。人生とは、愛するものとの別れの連続、虚無感との葛藤の日々・・・。でも、トマにアルフレッドに対する恨みというマグマがあったように、人は何かしら“マグマ”を皆持っているのでしょう。だからこそ過酷そのものの人生をどうにか生きていけるのかも知れません。とはいえトマのマグマは実は恨みというネガではなく、アリスへの愛というポジだった、というのがこの作品のキモです。これぞ映画にする意味のある素晴らしい作品。 【すねこすり】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-11-16 11:41:48) (良:3票) |
《改行表示》12. 「暗い話だなぁ、重い話だなぁ、息苦しい話だなぁ……」とずっと思いながら観ていて、最後の最後にひっくり返った感じ。 あんまり言うとアレだけど、小道具やシャレード、セリフのやりとりだけでわかる人間関係。突っ込みどころを言わせないほど衝撃的で素晴らしいシナリオ。 映画監督のタナダユキさんが本作に影響受けたという話しは十分納得できます。 【クロエ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-10-17 23:07:26) |
《改行表示》11.すべての弱者を味方に突進むヒーロー・トマ。 人生はたった一度だけ、今こうしてレビュー書けるのって素晴らしいね。 【突っ込み】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2007-09-26 00:57:26) |
10.子供ながら姉のアリスに熱い愛を抱き、嫉妬し、そして大人のように情熱的な恋をしたトマ。僕は彼に感情移入は出来なかった。でも彼の人生には感動した。父を失い、母が崩れ、さらには愛する姉アリスを失ったトマ。本当なら他人である一家を心から愛し、逆に本当なら家族である一家を憎んだ。そして、アルフレッドに怒りは向かい、復讐を誓った。胸が張り裂けそうなほど切ないトマの人生。でもその切なさは灰となり、青空にちったトマと一緒に僕の心から消えて行った。僕にとってトマはヒーローだ。 【ボビー】さん 8点(2004-09-15 18:03:45) (良:1票) |
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【ヒロヒロ】さん 6点(2004-08-25 01:07:18) |
《改行表示》8.苦いお話なんだけど人間に対する愛があるからかな、あとあじが悪くなかった。それと、この映画の本編より印象に残っているのは、公開当時、竹中直人が本作を絶賛していたこと。彼に、こんな味わいの日本映画を撮ってもらいたいなあ・・難しいとは思うけど。 【おばちゃん】さん 8点(2004-07-04 20:16:45) |
7.”ブン”が印象的。人を羨む気持ちというものは時として非常に恐いものになるんだなーと思った。最後は見てる僕自身の気分も解き放たれたって印象でした。 【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2004-02-03 04:44:43) |
6.主人公のトマは向かいの裕福な同じ誕生日の息子のせいで大切なものを立て続けに奪われてしまい、間違った人生を送るハメになったと思い込む。人生で唯一楽しかった子供の頃の思い出だけを胸に生きてきたトマ。老境に差し掛かったある日、ピストルを手に一大決心をする。そんな悲しい男の生涯を、監督ジャコ・バン・ドルマルは軽妙なタッチで時にはミステリアスに、時にはノスタルジックに描いてゆく。とくにヒッチハイクをしている老人トマの横を、トラックが追い抜いて行くシーンが文句なしに素晴らしい。その荷台にはシャンソン“ブン”をピアノで弾いている父とトランペットを吹く姉アリスの姿があり、もうゾクゾクもの。人生のどたん場で今まで生きてきた意義を見い出し、子供の頃から抱いていた夢がついにかなうトマ。終り良ければすべて良し、と受け取りましょう。高らかな笑い声と共にシャンソン“ブン”が天空から愉快そうに降り注ぐ。名作です。 【光りやまねこ】さん 10点(2003-10-14 13:11:37) |
5.一番好きな映画です!自分の失われた人生を、死によって取り戻す最上の喜悲劇。他人であるから愛せた姉アリスへの思いと死の責任。アリスにそっくりな女性を死に追いやらぬために、客車で泣きながら去っていく姿。あまりにべらぼうな映画 【ヨシオ】さん [DVD(字幕)] 10点(2003-07-06 01:41:22) |
4.復讐心に燃える老人を描いた現代、姉に似た女性に恋をする成年期、いじめられた幼少期、さらに妄想シーンとかなり複雑に話は展開するが、ごちゃごちゃした感じは受けない。それに使い分けが巧みで、終始好奇心をくすぐられる。成年期での姉によく似た女性を追いかけるシーンと幼少期へのリンクのように繋がり部分を、しっかり描かれているため混乱せずに見られる。監督の演出の素晴らしさが光る作品だ。そしてラストの上空からの見下ろすシーン、高らかな笑い声、父親が歌ってくれた陽気な音楽、彼の一生は陽気に終わることで意義が生まれる。 【ゆたKING】さん 8点(2003-04-07 17:22:48) |
3.辛辣なストーリーだけどC・トレネのシャンソン「ブン」が陽気にひびく。老人トマが乗った車を追い越していったトラックに見る幻影が可愛くせつない。(子供トマのお姉ちゃんアリスがまるで妖精のよーだ。)ラストでは笑い声が空から降ってくる。それでとてもホっとした。 【ちこ】さん 10点(2002-05-02 18:01:46) (良:1票) |
2.すごく泣いた。自分の人生は最初からなにか間違っていると思いながら実は自ら幸福を捨ててきた主人公。最後に自己犠牲という形で自分の夢を叶えるという、切なくもほほえましい、なんともいえない余韻を残す映画でした。すばらしい。 【GO】さん 10点(2002-03-20 22:55:30) (良:1票) |
1.主人公トマは過去を引きずり、憧れ、想い出だけに生きているような男で、憧れのヒーロー・トトのように、自分を上手くコントロールできないでいる。しかしその彼も、ラスト、自らの死によりやっと人生の方向性を見つけたことで、天空から笑い続ける。悲劇的な話ではあるけれど、鼻歌まじりに語っている、その軽快さが見事であり、又、この作品の身上でもある。人生を台無しにした男であっても、最後に正しく生き終えることができるという教訓が引き出せて、これは正に素晴らしい敗者の物語と言える。 【ドラえもん】さん 9点(2001-03-10 23:47:26) |