1.ヘミングウェイの小説も、それを基に製作された同タイトルの映画も、無関係の作品です。
本作の”キリマンジャロの雪”とは、作中でも歌われますが、フランスのヒット曲のようです。
共にリストラで解雇されることになる、労働組合の委員長のベテラン社員とまだ若い社員。
主人公は労組の委員長の方。この人が絵に描いたような善人であることは、
冒頭のくじ引きでリストラ要員20名を決めるイベントでよく分かる。
不況、会社の業績不振、リストラ。労働者にとって生き辛い今の世の中。
まさに貧乏クジを引かされたこの2人の男のリストラ後の生き方とは・・・。
以降も、この委員長のいい人ぶりが最後まで続きます。
残された2人の子どもの扱いなんて、さすがにこんな人いるか?という域に入ってくるけど、
こんな時代だからこそ、映画の中でくらいこんな人がいたっていいじゃない。
彼の奥さんも家族や周りにいる人も、み~んないい人ばかり。
本作のキーアイテムであるコミック誌を使ったユーモアのあるラストにもほっとさせられます。